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好感の持てたリニューアルオープン

2019年08月15日

もう1ヶ月近く前の話ですが、参議院選挙はパチンコ業界にとって残念な結果に終わってしまいました。業界団体の会合で、自民党から「準備期間が短かったなかで善戦した」と言ってもらえたそうですが、社交辞令でないことを祈りたいです。

国会議員を通しての陳情というカードを業界自身が放棄したような結果は残念でなりません。今まで政治の話題を避けていたライターたちも選挙の話を書きました。その全員がどう思っていたのかは分かりませんが、少なくとも私は“どちらかと言えば、業界の方に向けて”書いていたつもりです。ユーザーの票がなければ当選しないほど小さな業界ではないはずなんです。ライターも“いちファン”に過ぎないわけでして。そんな末端の業界人ですら強い危機感を持っている。それが伝わればと思っていたところはあります。

もちろん、当選したからといって、いきなり劇的に変わるわけではありません。前回書いたように、直面する課題は山積しています。一つ一つ乗り越えていかねばなりません。そのカギを握るのは、何と言っても、ホールとユーザーの関係です。ユーザーに見捨てられては、ホールは売上も存在意義もなくなります。ホールがなくなれば、台を供給するメーカーも不要になります。結果、全てがなくなります。

極論してしまえば、どんな面白い機種も設定1だらけだと楽しさは半減以下でしょう。逆に、微妙な機種でも設定を上手く使ってくれれば「明日はどの台が出るだろう?」など、違う楽しみが生まれます。さらに、長く打ち込むことによって“つまみ食い”では気が付かなかった奥深さに取りつかれたりもします。

ゲームとしてのパチンコ・パチスロを好きな層も、小博打として好きな層も。最後はホールで打つよりほかないのです。ということで、今回はホールの話。とあるホールのリニューアルを見てきた話です。


自宅から近いような近くないような。微妙な距離の住宅街の駅にあるホールが、リニューアルオープンで15時開店となっていたので、仕事終わりの18時過ぎから様子を見てきました。この地域に来るのは数年ぶり。なので、それ以前の普段の営業は知りません。引っ越したばかりで、その街のホールを「遊べるかな?」と、見に行った感覚くらいに思ってくださいな。

まず、このリニューアル。そんな大々的に宣伝をしていませんでした。集ったユーザーは、その商圏内の人ばかりだったことでしょう。なお、目玉となっていたのは『Re:ゼロ』と『マイジャグラー4』の増台でした。

6号機随一の人気機種となった『Re:ゼロ』は、これからもチカラを入れてくるホールが多くなるかと思います。このホールもそうで、パチスロコーナーのある地下フロアへの階段を降りた目の前が『Re:ゼロ』のシマとなっていました。うん、若者層で満席のフル稼働。パッと見ですが「全台4か6かな?」と思える感じ。分からないですけどね。

もう一つ増台された『マイジャグラー4』も階段の近くに配置。増台分と前からあったと思われる分も含めてボーナス確率は優秀。こちらもパッと見で「全台設定4以上かな?」と思える感じ。出す気は伝わります。展開の悪かった1台が空き台になっていたりもしましたが、増台シマは全台系だろうという信用で座れるはずでした。私は視察メインだったので、座りませんでしたけど(笑)。

次のリニューアルや、新装では新台に座ってみたいな……と、誰もが思ったはず。ここで大事なのは、宣伝をさほどしていなかったということ。普段から来ているユーザーに還元したかったということです。人の口に戸は立てられないので、いずれ招かざる集団が来るかもしれません。そうなったら、スカすんじゃないかな……と予想してみたり。


目玉となるシマは及第点以上かな。そこで気になるのは、それ以外のシマでしょう。目玉コーナーだけ盛り上がって、それ以外が底なし沼では困ります。

注目したのは『Re:ゼロ』から一番遠くにあった『マイジャグラー3』や『ゴーゴージャグラー』などジャグ系のシマでした。増台されて盛り上がっている『マイジャグラー4』を通過して、その奥の奥。こんなところに座るのは常連のお客さんばかりと予想できます。しかも、学校のクラスなどでは“イケてないグループ”に属しそうな感じ(笑)。イケてる常連さんは『マイジャラー4』を打てていたか、そこが空くか虎視眈々と狙える位置で打つことでしょう。

この客層が大事なんです。彼らが楽しそうに、期待を持って打てる状況なのか。この人たちが楽しめているなら、目玉コーナー以外も遊ぶことができそう。そんな安心を生む存在なのです。

手前のこれからホールが育てたい機種は出ている。でも、売上がそれだけであれば、目玉コーナーの出玉も削っていかねばなりません。目玉しか打たない層は、ほかに美味しいホールがあれば、来てくれない可能性が高いです。商圏内の競合店と張り合い続ける必要があります。それに対して、奥のコーナーのユーザーは“信用”さえあれば、ずっと通い続けてくれます。こういうお客さんが多いホールが、健全なホールとなり得ます。特に住宅街は。

どこまで設定を使っていたのか。はたまた使っていたけど不発だったのかは分かりません。ただ、奥の人たちは、“住宅街が近いホールあるある”の通り、1台置きに座って、バケ先行台を熱心に追いかけていました。私から見れば、それ微妙だろと言いたくなる感じの台でしたが(汗)。

そんなに流せてなかったですが、即逃げする人は少なかったです。目玉コーナーのような出玉は期待していなくても、遊ばせてはもらえる……という信用はあったように感じました。一日にしてなるものではないので。今までの営業方針もあったのかとは思いますけど。

そんな雰囲気だったので、私も『クランキーセレブレーション』に着席。奥のシマのお客さんの打つ姿が、コインサンドに手を伸ばさせたのです。


ユーザーの皆さんは、全体的に大赤字に見えるような営業を理想とするかもしれません。確かに“その日だけ”打ちに行くのであれば、そんなお祭りに参加したいと私だって思います。そういう目で見れば、このホールのリニューアルは、目玉コーナー以外は大したことがなかった部類かもしれません。しかし、出しまくったらホールも持たないわけです。

このリニューアルに好感を持ったのは、宣伝を控えて地元のユーザーに還元しようとしたこと。そして、目玉コーナーは別として大きな無理をしていないことでした。これなら続けられそう。というか、本当に良いリニューアルだったかは、“遊べる”程度でも期待感を持続させてくれるかにかかっています。

“遊べる”で十分という客層は、一日で一気に放出するのではなく、勝てるかもしれない台を毎日のように置いて欲しいのです。もうちょっと常連客しか座らなさそうなシマを甘くしてあげて……とは思いました。まあ、見たのが半日なので、何ともですけど。

もちろん、若者向けに『Re:ゼロ』をこれから育てて行きますという宣言をしたリニューアルなので、そこも頑張らないといけませんね。このように、頑張れば来てくれる浮動層もいれば、守るべき常連と思われる客層もいるんです。良いホールだな。素直に感じました。歩いて行ける範囲なら、毎日のようにチェックしますわ。まあ、その奥のシマで打っていた常連のお客さん(?)が好感度をさらに上げてくれたのは否定しませんよ。それも含めてホールの魅力です。

ちなみに、私の打った『クラセレ』は、上でも最低でもなさそうという体感。こんな短時間の推測はハズレても仕方ないですが、座る前からの予想通りで遊ばせる程度だったのかな……と。お客さんの雰囲気で、今日は1でなかったと思えることが大事なんですよ。アマい機種なんでね。

ドッカンドッカン出すだけでなく、地元のお客さんを中心にして、ひっそり(?)頑張ろうと思っているホールも多くあることでしょう。電車に乗って行くイベント目当てのホールと同じ目ではなく、新装などの目玉コーナー以外の“普通の営業っぽいところ”も見てあげてくださいまし。常連のお客さんがまったり座りそうな場所は、そのホールの方針が見て取れることも多々あります。そういうお客さんを付けられていないホールは、とにかく信用第一で頑張れ!

って、このホール。何もない日にも見に行くべきなんですけどね。機会があったら行こうと思います。通うホールは、フラっと行ける範囲が理想。改めて思ったりもしました。そういう意味では、私も商圏外のユーザーです(笑)。はああ。自宅の近くのホールとトレードして欲しいですわ。