pachibee
動画検索

11月20日(月) ないない詐欺

2017年11月20日

スペックをしっかり分析し、シンクタンクなどの情報を踏まえて機械選定する。こういった普通のことをするホールの決裁者も増えました。が、未だに昔ながらの業界人というのが多数生息しており、タチが悪いことにそういう人達が上層部で息を巻いているのが現実です。

はぁ…

こんにちは。レタスです。

別に今に始まったことではないので何を言ってるんだという話なんですけどね。ここで何が言いたいかというと、「ホールはメーカーより下」という必要以上にホールが卑屈になっているのがこの業界の体質なんですよ。前回も書きましたがメーカーの売り手市場だった時代はとっくの昔に終わっているのですが、気づいていないみたいです。

そりゃ90年代は新機種のリリース数が圧倒的に少なく、かつ機械の寿命が今とは比べ物にならないほど長かったのです。ホールは「新台を入れねば!」と、完全に需要が供給を上回っていました。この頃にホールに入社した人達が現在、要職に就いてて機械を売ってもらえなかったトラウマでアホみたいな抱き合わせに付き合ってんだろうなぁ…と想像してます(想像ですよ!)。

で、今回のタイトルに至るわけですが『ないない詐欺』です。え??勝手に私がそう呼んでるだけで正式名称かはわかりませんが話を進めていきましょう。

■ないと言って余りある

例文「いや?○○○○(機種名)なんですが、実は予定台数をオーバーするご注文をいただいているんです…が、今ならなんとか用意できるのでそのご案内で電話しました!」

訳がわかりません。そもそもオーバーしているならヒィヒィ言いながら断って予定台数の範疇になんとか納めるはずなので、こんな余計なこと言うはずがないのです。つまり余ってる在庫を凄く売れてるフリをしてさばこうという行為、これが『ないない詐欺』です。

こんなアホでも引っかからないような話をしているのが我々メーカーの営業マンなんですよ…ちなみにこれ昭和の詐欺ではなく今年の事例です。冷静に考えたらこんなもの引っかかるわけ無いのです。

しかし、後に販売台数を見ると結構な台数を買っているホールがあって私はひっくり返ります。要因としてないない詐欺だけではなく、もちろんマンパワーによる部分は否定できません。

「彼の人となりを見て買ったんだ…」

なるほど…いや機械見て買えよ。アホか。ということで、ないない詐欺というのはかなり有効なのです。それも冒頭に書いたメーカーとホールの図式が今も生きてるからという部分だと思います。大手メーカーが「機械がない!売り切れる!」騒いでたらそれは購買意欲をそそることに繋がります。

■なぜこんな思考に至るのか

プレミアムや限定という言葉に弱い我々現代人。こういった心理になぜなるのかというと人間は【得をしたい】よりも【損をしたくない】気持ちが勝るからだそうです。その比率1:2とも言われます。とにかく人間は損をしたくないのです。

パチンコの販売において横行するないない詐欺は「みんな欲しがってる台だぞ!」「買わないことが損だぞ!」と【手に入れないことで損をする】ことを強く訴求してることになるわけです。これは不確実性下における意思決定の代表的な理論で、プロスペクト理論と言います。

クソみたいなことしてやがると思ってましたが、プロスペクト理論は行動経済学でも代表的なもので、ないない詐欺は意外と理にかなっているのですねぇ…

■中小のないは本当にない

大手メーカーの「ない」は本当はあるのですが、中小の「ない」は本当にないのです。これは予定台数をオーバーする注文が来て、足りないとわかった時点で追加の部材調達ができないからに他ありません。

部材を扱う会社が普段から沢山部材を買ってくれる大手メーカーの無理難題も対応してくれるのですが、ギリギリの発注しかしない中小メーカーが困ってても手は差し伸べてくれないのです。当たり前ですね。なので、大手のないない詐欺に慣れてしまってるホール関係者からすると「なんだかんだ持って来てくれる」とメーカーに変な信頼感で期待しているので、本当にないので持っていけない中小メーカーは烈火の如く怒られるわけです。

じゃあ沢山ストックしとけばいいじゃんと思われるかもしれませんが、パチンコという旬が短い製品の性質を考えると在庫を持つことがいかにリスキーか…ということです。結局のところ情報をしっかり精査できるホールが増えない限り、ないない詐欺は効果的な手法としてパチンコ業界に蔓延ることでしょう。アホくさ。