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8月6日(月)設定付きとリスクヘッジ

2018年08月06日

自分はたばこを吸わない。

家庭環境や友人関係をきっかけにたばこを吸い始めるものなのだろうが、嗜好品の中でタバコを好きになる機会に恵まれないまま過ごしてきた。

ホールでほぼ毎回遭遇するたばこの煙に嫌悪感はそれほどない。が、加熱式たばこ、特にアイ○スの臭いは遠くで吸ってても分かるほど苦手な上に、煙(水蒸気?)がとても目に沁みる。ホールで涙を流しているおじさんがいたらそれは私だ。

会社にたばこを吸う人はいるのだが、加熱式たばこに移行した人が多い。その日は一服している先輩に違和感を感じた。咥えている加熱式たばこのフォルムが違うのだ。

「アイ○スやめたんですか?」
「うん、こっちに変えた」

と新しい加熱式たばこのメリットなどを話してくれたが、興味がないので全く覚えていない。しかし、アイ○スの臭いが本当に苦手だったので神に感謝した(多分銘柄による)。よく考えてみると、ここ2〜3年で加熱式たばこは爆発的に普及した感はある。

某証券会社の調べでは
■2017年⇒12%
■2018年⇒24%
日本のたばこ市場全体の中で加熱式たばこはシェアを倍増させている。3年程前にこれだけ普及すると予想できた人はどれだけいるのか、非常に興味深い。これを1つのモデルケースと考えて2〜3年後のパチンコ市場を見つめると、「設定付きパチンコ」を今どう考えるべきかでメーカーとして差が出るのではないか。


現行の混在する旧基準機の完全撤去はまだ先ではあるが、そのときに設定付きのシェアがどれくらいなのだろうか。

2021年、市場に200万台パチンコがあるとした場合、加熱式たばこよろしく、設定付きのシェアが25%でも50万台。相当な規模である。ホールで話をしていても設定付きのパチンコに懐疑的な人も多く、流行らない、すぐ廃れる、という意見はよく聞く。この視点はあくまで、「パチンコとして面白いか」どうかという点になっているようにも感じる。実際、自分も4月のコラムにて「現状、封入式でないパチンコに設定を付けるメリットは余り感じません。見切りスタートは本当にパチンコの専門家が組合にいるのか疑問にすら感じます。」と書いているとおり、ゲーム性が成熟していないことやユーザーに見向きもされないことについての感想だったようだ。

しかしながら現状それほど突っ込まれなくなったが、○の問題は大きく横たわる。「設定付きで出来ることをまだ○でやるのか?」これに関しては突っ込まれても仕方ない。

封入式はまだ現実味を帯びてはいないが3年後、ホールの立場から考えれば設定付きではないパチンコを設置する危険性は計り知れないものである。この点におけるリスクヘッジを考えたら、設定付きはメーカーの任意ではなく、"義務"となることも大いに考えられる。


義務としても、やはり面白い機械でなくては動かない。

各社、設定付きパチンコのラインナップが揃ってきたが、基本的なアプローチとしてはループタイプ、又は小当りラッシュ系が多いのが特徴だ。これは大当り確率にのみ設定差が設けられるというレギュレーションに沿った形として王道と言える。
前にも書いたが、低確率と高確率は完全にリンクしていなければならないとなるとSTタイプは設定によって継続率が変わるため非常に複雑かつ煩雑となる。なのでもし登場するとしたらSTのみのタイプというよりは時短を含めた突破型になるのではないか。

現行のレギュレーションではSTのように死にかけてしまうスペックも存在する。そもそも設定が付けられないような混合機や電役などは○○風としてセブン機で出すことが強いられるかもしれない。そのスペックが持つ優位性よりもいかに"○に依存しないか"が重要となるのだ。私の言葉ではないが、スペックが規制されるのは100歩譲っても、ゲーム性が規制されるのはおかしい。

大当り確率だけでなく、普通図柄に設定を設けるなどしても良いのではないかと思う。ゲーム性すら規制するような縦割りの内規ではユーザーの期待には応えられない。設定付きのレギュレーションに柔軟性を持たせて、この2年くらいでゲーム性を成熟させることでようやく新たなパチンコの側面が見えてくるのかもしれないが、旧基準が混在する今の市場ではそう簡単にはいかないのも現実なのだろう。