pachibee
動画検索

6号機版AT機の時代がやってくる

2018年08月15日

連日どこかで40度を超えるような天候となっていますが、皆さん夏バテなどしていないでしょうか? 私はすっかり夏バテです(笑)。

ちょっと前までは、暑すぎるからホールで涼んでいこうという発想もありましたが、そういえば最近そんな風には思わないことに気付かされます。震災のあとに電力供給不足が叫ばれ、適温となったこともあるのでしょう。また、空調が発達して冷風直撃となってしまう席が少なくなったのもあるかもしれません。

そんな冷凍室にいるかのような体感温度となる席があった時代のこと。ホールでは、夏の入りを感じさせる早い段階でキンキンにすることがありました。夏本番の暑い日に「あのホールは涼しかった」という記憶を持ってもらうためだとか。まだ暑いうちからコンビニに肉まんが売られるのと同じ狙いなのでしょう。

そのコンビニですが、定番商品は「売れる数+2つ」あたりを発注するという話を聞きました。最後の1個は人間心理的になかなか買いにくいそうです。きっちりいつもの数を売るための投資だとかなんとか。ホールにあるたった1台の空き台。そんな状況なら座ってしまう人が多いのになぁ。そんな風に感じながら聞いていたとです。

いつものように脱線しました。この夏が終わると、いよいよ6号機が登場してくることとなります。1月に内規を解説しましたが、実際にはどうなっていくのか。気付いたことを少し書いてみたいと思います。


「出るのか、出ないのか、どっちなんだ?」と、ザックリ聞かれることが多くて困ります。その人の“出る”という基準がわからないのですから(笑)。

短期的に見れば、コイン増加速度は上がります。1Gあたりの純増枚数の制限がなくなりました。現実的なところで純増5枚か6枚は実現可能でしょう。ちょっと前、5号機版AT機の倍近くとなるスピードです。

中期的に見ても、やっぱり出ます。純増2400枚という一撃の制限はありますが、これは天文学的数値となる超大量獲得が起きないということ。その分、出玉設計に余裕ができるので、1000枚クラスの分布が多くなると予想しています。

長期的に見ると……出なくなります。5号機以前の長期出玉率(17500Gの試射試験)の上限は120%未満。6号機は上限115%と下げさせられます。8000G稼働するとして、総投入枚数は24000枚。120%であれば4800枚のプラスですが、115%だと3600枚。もちろん、超ラッキーなヒキが重なれば万枚もあるでしょうが、その割合はグッと低くなるでしょう。

ゲーム性ですが、ノーマル機はほぼ壊滅するのではないかと思われます。緩めになったのは、あくまでも内規。法律(遊技機規則)は厳しいまま。その法律に書かれていることがすべてとなるのがボーナスの扱いです。

出玉を制限されており、いまの『アイムジャグラー』タイプだとBIG1発200枚も危ういことでしょう。200枚も出したら、かなり確率は悪くなるでしょうね。『リラックマ』などのハネスロタイプならなんとか。それでも60枚や120枚のボーナスばかりとなりそう。

ということで、6号機はほとんどが5号機版AT機からの発展になるでしょう。5.9号機に至る過程で締め付けられた部分がかなり撤廃されています。ということで、今回は6号機版AT機の事前予想も含めた解説をば。ええ、ここまでが前振りでございます(笑)。


6号機版AT機も5号機版AT機とシステムは同じです。内部的にボーナスを隠し持ち、そのボーナス成立後のRT状態を使ってリプレイ確率をアップ。また、高い確率で存在する押し順小役でボーナスを滅多に揃わなくさせるのが基本です。

ただし、5.9号機から搭載された“有利区間”の概念は残ります。有利区間滞在時のみ押し順ナビを発生させられる。有利区間は最長でも1500Gで終了。これに加え純増2400枚でも終了するようになりました。そして、有利区間終了時は、必ずリセットされ通常区間へと陥落します。最大一撃2400枚となることだけ覚えておきましょう。大事なことなので3回書きました。

そしてもう1つ残るのが、5.5号機からのペナルティ規制です。どの押し順でもそれなりに小役が揃わなくてはなりません。5号機版AT機の最後は、50枚あたり50G近く回りましたよね。それと同様のことが起こります。

50枚あたり35G程度に慣れきっている人は、感覚を掴むのに時間がかかりそうです。ええ、私のことです。

ここまでをまとめます。50枚あたりたくさん回って、当たったら出玉増加速度は5号機の倍。だけど2400枚とか有利区間の規制があって、最大出玉率は115%未満に。悪くないですね。

ただ、もう1つ慣れなければいけないものがあります。それは実質初当たり確率が重いことです。

ちょっと嫌な書き方をしますね。「ベース(コイン持ち)・出玉・確率」は三すくみです。まず、ベースが高い時点で、ほかの2つを優遇することは困難。そこでメーカーがやってくるのは、薄いけど2000枚を狙える一発役で出玉をアピールすること。そして、ほぼATに繋がらない疑似ボーナスで遊べる確率に見せることです。

そういうものだ。覚悟して打てるか。それだけで6号機を触ったときの印象は変わるかと思います。ハードルを下げると言いますかね。「これ出玉は期待できないけど、演出の流れが面白い」なんて感じで。そのうち、実質初当たり確率やAT1回あたりの出玉の分布など、最適解が出てくることでしょう。5号機の延長でもあるので、それも割と早いとは思います。ほんと開発さん、凄いんで。


と、ここまでは普通の解説でしたが。ちょっと妄想を込みにしてみたいと思います。

この6号機内規は骨抜きな感じがしてならんのです。特に有利区間関連。5.9号機では、有利区間の滞在比率が70%未満と定められていましたが、6号機では押し順ナビで獲得したコインが全体の70%未満と変更されています。

有利区間が終わっても、すぐに次の有利区間へ入れられるのです。ほぼ全役で有利区間の昇格抽選をすれば再昇格できます。これにより、天井を軸にしたゲーム性も展開できます。1000G間AT発動なしで天井到達とすれば、そこから500GのATを発動させればいいだけ。純増5枚でも2500枚。規定の2400枚を吐き出すことができます。5.5号機からの規制でも天井については、のめり込み防止の観点から指摘されていたことなんですけどね。

その2400枚も怪しいものでして。ATの発動は、全設定共通の処理であり、共通確率の一発役ではありません。例えば一発役でフリーズAとBをセットするとしましょう。まず、Aで2400枚の権利。それを消化し終わると、陥落しての通常状態を経由して次の有利区間へ。そこでフリーズBが発生して再度2400枚の権利ということも可能に思えてしまいます。

なんかね、厳しい法改正を飲んでおき、逆襲したかのようにAT部分の内規は緩くなっています。調子に乗っていろいろやりすぎないか心配なんですよ。押し順ナビ自体が禁止されたら戻れるところがないものでして。そのあたりのセーブはできるのかしらん。

ということで、夏の暑さも出玉の熱さもほどほどが良いという結論に落ち着いた次第です。