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2018年を振り返る

2018年12月15日

“時が流れる速さの体感”は、歳を取るごとに早くなるそうです。20歳までで人生の半分を占めているそうな。1日は短いのに不思議なものです。しかし、アラフォーからアラフィフに踏み出してみると、これまた本当に速い。去年12月にパチビーのコラムを書いていた日が昨日のことのように思い出されます。

京都・清水寺で発表される今年の漢字が書き出しでした。2017年は“北”。そして、今年2018年は“災”。ええ、どちらも漢字の発表日にコラムを書いているだけのことでした。15日更新なんだから仕方ない(笑)。

昨年は、パチンコ・パチスロ業界の漢字を“始”としましたが、今年はなんだろう。“変”ですかね。変わったことがある。変わらなきゃいけないことがある。変わるかと思ったら変わらないこともある。そんな感じです。

ということで、昨年に引き続き2018年の“パチスロ”ニュースを振り返りながら、いろいろ語ってみようかと思います。今年も10大ニュースにはしません。そんな思いつきません(笑)。


○法改正で6号機時代へ

2018年2月1日に風営法が改正され、6号機時代に突入しました。遊技機規則は、パチスロ業界関係者が震えるほど厳しい内容でしたが、それを運用するための内規(自主規制)が1月に発表されて空気が一転。5.5号機や5.9号機では作る意味のなくなっていたAT機も復活できるようになり「むしろ5.9号機よりも楽しみ」という声があがりました。

結果的に、罪のなかったノーマル機が締め付けられただけ。4号機から5号機への移行時もそうでしたが、世の中不条理なものです。


○初の6号機となる『HEY!鏡』がヒット!

6号機の一発目となったのは、大都技研から登場した『HEY!鏡』。導入時にコラムで取り上げましたが、本当に良くできています。若干のスペック修正(ベースと純増の兼ね合いなど)はあるでしょうが、基本的なシステムはこれが軸となっていくかと思います。

実は、正確には……6号機で最初にホールデビューしたのは、京楽の『ゲッターロボ』なんですけどね。直営店のみ(確か2軒)のテスト的な導入だったのでカウント外とさせていただきます(笑)。


○6号機の適合率は上がらず

パチスロ機が世に出るには、保安通信協会で行われる型式試験で適合を受けなければなりません。遊技機規則や内規に則った形で作られているかを検査されるということですね。

05月:33件のうち適合04件(12.1%)
06月:38件のうち適合10件(26.3%)
07月:33件のうち適合04件(12.1%)
08月:42件のうち適合05件(11.9%)
09月:42件のうち適合10件(23.8%)
10月:87件のうち適合19件(21.8%)
11月:86件のうち適合20件(23.2%)
合計:361件のうち適合72件(19.9%)

左側の件数は、結果書の交付数です。6号機の内規が適用されたのは、4月1日からとなっています。10月から結果書の交付が多くなったのは、各メーカーから持ち込まれることが多くなったのもあるでしょう。

確かに適合率は高くありません。それでも、同じ機種のスペック違いや、そもそも“お蔵入り”などもあるでしょうが、現時点で72機種がスタンバイしているのは、個人的に悪くないかと思います。「頑張って6号機を作ろう」という開発マインドは決して低くはありません。5号機の最初期なんて惨たんたるものでしたから(笑)。


○パチスロサミット2018が中止

前回も冒頭でお伝えしましたが、6号機の適合不足により、さまざまな6号機を展示する予定だった「パチスロサミット2018」が中止となってしまいました。「ちゃんと世に出すものだけを展示しなければならない」という圧力があったみたいです。

お蔵入りする機種でも良いじゃないの。どれだけ出ても景品に交換できないんです。それこそ“射幸性が一切ない遊技”なわけです。もし本当に「世に出すものだけ」という圧力があったのであれば、私はナンセンスだと思います。ゲームショーなどで参考出品されたものの、どれだけがそのまんま出てくることか。6号機をより早く楽しみたい、真のパチスロファンが納得できる中止とはなっていないと言わせていただきます。


○高射幸性と指摘された旧基準機撤去のペンディング

そもそも6号機への遊技機規則改正は、ギャンブル等依存症問題に絡むものでした。ネックとなったのは高射幸性と指摘された旧基準機たち。検定や認定といった設置許可に通ずる部分(厳密には壊れた部品の交換権利ですが)とは別に、自主的な撤去目標が定められていました。

2019年1月末までに設置比率の15%未満
2020年1月末までに設置比率の5%未満
2021年1月末までに完全撤去

これも入れ替わるべき6号機の不足によって、2019年1月末の分が延期されることとなりました。今のところ憶測で流れているのは、2019年をすっ飛ばして、2020年1月末には5%未満にしようということ。

これについては、賛否あるところでしょう。依存問題対策として業界自らが決めた目標を守らないのは、世間一般(主にアンチ層)からどのように映るか? とはいえ、入れ替えるべき台数が用意されていないのも事実です。いや、5.9号機が厳しすぎたのがいけないんですよ。そして6号機がAT方面だけ緩いのも。


○オリンピア・平和から変態的な機種が!

今年最も輝いていたと個人的に思うのは、オリンピア・平和でした。5号機のAT機時代は、同じシステムの使い回しという印象しかありませんでしたが、5.9号機の最後になって唸らされる機種を続々と投入。

BIG獲得枚数が変動する『パチスロ 不二子 TYPE A+』と『パチスロ 戦国乙女 TYPE A+』です。BIG中の強JAC消化中に次の強JACストックを抽選する方式を使っていました。メーカーは違いますが『鉄のラインバレル』もそうでしたな。ちゃんと枚数の変動を楽しめるのは、とにもかくにも5.9号機だったから。最大払い出し枚数が480枚。それに対して6号機は360枚です。その360枚にしてしまったら、ベースは高くなりBIG確率は激低になることでしょう。

4段階設定の『戦国乙女』よりも先に出た3段階設定の『不二子』のほうが人気なのは、残念だったりするのですが。後発が人気なら出玉の範囲が厳しい6号機でも考えてくれたかもしれないのに。

そして、もう1つは『パチスロ ルパン三世 世界解剖』。天井までの小役払い出し累積をカウントダウンする通常ゲームと思われがちなところがボーナス中。天井まで到達するか、チャンスゾーン扱いのREGでパンクすると晴れて“純粋な通常時”のヒーローズロードへ。いろいろなボーナスを超高確率で抽選するので、モリモリとコインが増えるのです。

凄いと思わされたのは、REGですね。REG中は2枚掛けなので最終ゲームでリプレイが成立すると、REG終了後の1G目も2枚掛けとなります。2枚掛けは、通常ゲームに再度落ちる確率が激高。最終ゲームが小役揃いだった場合、次のゲームはMAXBETで3枚になります。これが大きな違い。

これ6号機でも作れるやんけっ! ……と思ったものの。これを封じるような内規が追加されてしまいました。残念っ。下皿に1枚出てくるビジョンが見えないほど相性が悪すぎまして、あんまり触ってないんですけどね(笑)。


○ビタ押しマシンの需要があった!

追加導入などで着実に台数を伸ばしているのが『パチスロディスクアップ』。技術介入をしっかりできれば、設定1でも出玉率は約103%。あれですよ、いつぞやの『サク●大戦3』に匹敵しますよ。あちらは「アマすぎるふざけんじゃねえ!」と補償問題すら出て撤去。こちらは増産です。世の中、そんなものです。

ビタ押しでBIGの枚数が変わるのではなく、その後のARTゲーム数を上乗せすると言うのは、実にサミーらしい気がします。6号機がAT機だらけになるとしても、こういった目押し要素は残して欲しいと思うばかり。出目に関しては好き嫌いが出ますけどね。すみません、私は『アレックス』派です。


○広告規制が強まる

ここ何年も続いているのでいまさらではありますが。直近では、12月1日から大阪府では来店系(要はイベント)の事前告知が禁止となりました。福岡県は、来店系自体が禁止に。三重県は“広告協議会(メディア系の団体)”を推奨する形。静岡県では、インターネット上での出玉データ公開も指摘され、鹿児島県では来店系が月1回になって野菜など生鮮食品を景品にするのを禁止されました。いや、最後のは「そんなん置いて目玉にしてたんだ」という驚きでしたけど。

このように各県によって温度差はありますが、厳しくなっているのが現状です。特に今年は「あの県もダメになった」という話を聞くことが増えました。


○ハイライツ・エンタテインメントのパチスロ撤退

アイ電子時代に『SOLAR7』でデビューし(売れなかったけど面白いボーナス+RT機だった)、SNKプレイモアのパチスロ撤退にともなって合流したような形でハイライツに。第一弾は『シスタークエスト~時の魔術師と悠久の姉妹~』でした。その発表会では保有版権に“スカイラブ”の名前が!

初代『スカイラブ』は、個人的に5号機No.1の名機と思っておりまして。押し順ART機全盛期にRT機でデビューしたスピリッツと合体すればと期待していましたが、ついぞ陽の目を見ることなく終わってしまいました。両メーカーとも想い出深いだけにショボンです。


って、最後が暗くなってしまいましたね。本家・今年の漢字も“災”でしたし、仕方ないところですか。良いことがあれば、悪いこともある。その逆に、悪いことがあれば、良いこともある。そのために、最後を暗くしたと思ってくだされば幸いです。

2019年が皆様にとって明るい年となることを願いつつ。良いお年を!