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プライベートブランドの激アマ機種

2020年02月15日

イオン系列の“TOPVALU(トップバリュ)”や、西友の“みなさまのお墨付き”など、流通業界では珍しくない“プライベートブランド”ですが、パチンコ・パチスロ業界でも2018年辺りから流行の兆しを見せつつあります。

パチスロでは『YASUDA7』(やすだ)、『あっぱれ!PREGO』(プレゴ)、『グレート69~TOMOLER~』(ともえ)などなど。パチンコでもダイナム系列が「ごらく」という新ブランドを作って多くの機種を投入しています。

ホール側から見れば、企画開発から携われるので自店舗のユーザーの声を反映させやすい。自店で必要な出玉設計の機種を作ることができる。そんなメリットがあり、共同開発するメーカー側も企画開発費の折半や販売台数の確保だけでなく部材の確保でロスが出ないなど一石二鳥なので、こうした動きが出てくるのは当然のことといえるでしょう。

で、ユーザーにはどのような利益が? 実はありまくるんです。他のホールで打てないので、その機種の魅力が浸透すれば必然的にユーザーを囲い込めます。そう。アマく使うことが多いのです。そりゃ、自店舗の名前を使った機種で極悪営業はできませんもんね(笑)。


ということで、今回は最新のプライベートブランド機を取り上げてみようかと思います。パチスロメーカーのJPSと、ホール企業の3社の共同開発となった『Sオリスロ3AA』です。近くに導入店がない? そんな方にも損はさせない切り口は心がけている……つもり……です。
さて。機種名は、株式会社アプリイの『HYPER UPYELL』、ひぐちグループの『スロまる』など。JPSからも『DIAMOND』が販売されるようです。

内容ですが、6号機のノーマルタイプ。BIGは純増 約195枚。REGは純増 約104枚。設定は2段階で、設定5はBIG1/172・RB1/1/437のBIG偏向型。設定6はBIG1/218・RB1/218という均等型。いずれも出玉率は104%となっています。いかん、アマすぎる。スロプロを量産した伝説の4号機『クランキーコンドル』の設定1と同じではないか。家の近くにあったら毎日打ちたくなってしまう。
※スロまるは設定0(まる)と3(みつ)の2段階

そんなことを言っても、104%で打つのは難しいんじゃないの? そんな疑念を持ちつつ試打してまいりました。


ボーナス中は、REG中に中段赤7を押してしまうと中リールでベルの目押しが必要となってしまいますが、注意するのはそれだけ。左リールにチェリーを狙っておくくらいで簡単にMAXの枚数を獲得できます。ということで、技術介入要素があるのは通常時のみとなります。しかも、仕事のできる告知ランプを搭載。レア小役を狙うだけに専念すればOKです。

レア小役はベルとチェリーのみ。ベルは左リールに1つしかなく、2つある赤7の片方に付いているので注意。順押しであれば必然的にベルを最初に狙っていくことになります。ベル成立時は大半が予告演出ありとなります。チェリーをフォローしつつ、稀にある予告なしベルをどう取りこぼさないかだけです。ん?普通に打つだけでアマそうではないですか。でも、アマい機種だからこそ、しっかりスペックを引き出したいと考えたくなります。

右リールではベルを取りこぼさないのでハサミ打ちが基本となりますね。しかし、しかし……
ここで止めてしまうとハズレでもベルの目押しが必須となります。チェリーをフォローしつつベルも狙うなら……
下段にベルを1コマ目押しという緊張を毎ゲーム強いられてしまいます。いや、枠内にベルが停止しているだけでも揃う可能性はあるので、下段に赤7が止まってしまっても問題はないのですが。


もっとラクに演出なしベルを獲得できないだろうか。そう考えると必然的に変則押しを模索することとなります。
中押しでBARを上段に狙えば、上段までベルがスベってきたときのみベル狙いとなってくれそうですが、ちょっと遅いと上段ベルはブドウでも停止します。目押し機会を減らそうと思うと、これも毎ゲームのように1コマ目押しを強要されるのです。

しかも、中段リプレイ停止の際に、左リールの目押しも必要になります。順押し手順であれば、残りリール適当打ちで良いのに、もう1手かかるわけです。1/7.3の確率で。変則押し手順は楽しみ目的には良いですが、効率的とは言えませんね。

毎ゲームの1コマ目押しはイヤだ。でも、チェリーやベルを取りこぼしたくない。リプレイやブドウの際に一手間かかるのは仕方ない。そんな場合は、中リール枠内にBARを狙う程度が良いかな。

中段リプレイが停止したら、先に右リールを押します。右リールも中段リプレイならリプレイorチェリー。左リールにチェリーを狙います。右リール中段がリプレイ以外ならハズレorボーナス。

上段にベルが停止したら、左リールは上段にベルを引き込める範囲で押して、右リールは適当打ち。右リールを先に押しても、ベルとブドウがダブルテンパイするので同じことです。

近くに導入されていない機種の打ち方を解説されても? いやいや。リール配列を見て、どこを押せば良いのか考える。これが手順作りの出発点なんです。そこから実戦してみて「ハズレでも止まるんか〜」とか悩んでまた考えることになります。

・小役を取りこぼさない
・ボーナス察知できる(今回は告知機なので割愛)
・目押し機会をなるべく減らす
・難しい目押しをなるべく避ける

押さえるべき基本は、こんなところかな。そのプレイヤーの好みや目押し力によって“その人の”ベスト手順は変わるものなんです。メディアなどで紹介されるベスト手順も、取材をした誰かにとってのベスト手順なだけで。それができなければ打ってはいけないというものでもありませんぜ。

ということで、私がリアルに打つ際は順ハサミ手順と決定いたしました(笑)。


一番打ち込んだ機種が『クランキーコンドル』でして。おそらく……というか、想像するまでもなく設定1ばかりだったでしょう。私にとって出玉率104%って永遠の基準なんですよ。アマいとはいえ、不ヅキだとこれくらい負けることもあるとか嫌な記憶も含めて。『SオリスロAA3』は、どちらの設定もその104%。ほんと、近くにあったら入り浸りそうです。ラクに打てる方、羨ましいです。

そんな“ホールの出す気の象徴”のようなプライベートブランドですが、難点もあります。全国発売でなく台数も限られるため、多くのメディアで取り上げられることが望みにくいのです。機種の中身をなかなか勉強できず、アマいスペックということすら伝わっていないのが現状でしょう。

広告規制もあり、ともすれば“機種指定”などと指摘されそうですが、設置しているホールが主体となって情報をどのように発信していくかが今後の課題でしょう。

逆に言えば。自分で手順を組み立てたり、分析できるユーザーであれば。結構、美味しい思いをできる気がします。少なくとも、他店を本拠地にしているライバルは、機種名すら知らずにスルーしてくれそうじゃないですか。そういう立ち回り面でも、今後プライベートブランドは要注目と思っております。


©jps