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急がば回れ!

2020年06月15日

東京都独自のロードマップも先週末にステップ3へと移行し、パチンコホールへの営業自粛要請が正式に解除されました。実際のところは、先月末の緊急事態宣言の解除を受けて大半のホールが営業再開に踏み切ったので“名実とも”ということになりますね。

私は、営業再開のホールが増えた段階で、外出ついでのホール視察を再開しました。そもそもの外出機会が減っているので、視察の回数は1/3程度となってしまっていますが。ええ、前回書いたホールを最優先にしています。緊急事態宣言の最中に、営業を強行して混雑しているホールに興味はありませんでした。推して知るべし。ただ、自粛明けからの動きは、自分で感じるより他ありません。ホールを見るのも仕事ですからね。

いや、しかし。お客さん少ないですな。元々、混雑店は敬遠するタイプですが、それにしても少なすぎます。影響が大きいと感じるのは、ジャグラーコーナーとメインとされる機種が並ぶコーナーですね。

ジャグラーコーナーは、そもそも感染した場合のリスクが高いとされる年配層が中心だったので、自粛を継続されている方が多いのでしょう。メインコーナーは、割と勝ち負けにシビアな方々が中心。長引いた休業と、現在も続く売上減では期待ができない。自粛のトーンは低いにせよ、自重していると考えることができます。

このような層は、来店系などの情報を活用しがち。しかし、そのような広告宣伝は、少なくとも6月末まで自粛するように全日遊連から通達が出されております。ここに即効性は求められません。というより、そういった即効性に頼り続けたために、このような状況を招いているとも思います。


週刊アミューズメントジャパンさんの記事で、面白いニュースを目にしました。
<プレイヤーの情報収集場所は「店内」「店頭」>
https://amusement-japan.co.jp/article/detail/10001776/

パチンコ・パチスロプレイヤー(過去1年間に1回以上遊んだことがある人)が普段利用しているパチンコ・パチスロの情報収集源は、店内・店頭・店舗のホームページなど個々のパチンコホールからの情報が上位を占め、「家族・友人・知人のクチコミ」がこれに続いた。(中略)

パチンコ・パチスロの情報を収集するにあたって、SNSを活用しているプレイヤーは4割にとどまった。 もっとも活用されているSNSは「LINE」、次いで「Twitter」だが、プレイヤー全体の約2割にすぎない。


長らくメディアに携わっているので寂しくもありますが“思ったよりも多かった”というのが本音です(笑)。インターネットが普及していなかった時代、さまざまな攻略テクニックがしっかり掲載されていた時代の攻略誌の最盛期ですら多くて一誌30万部とかその程度です。しっかりと情報を把握して臨むユーザーは決して多くはないのです。

焼け野原となっている現状。少ない“この状況で打ってくれるユーザー”を奪う即効性のある施策は、逆に他店にも簡単に奪われるリスクもあります。施策を止めた瞬間に終了。ある種、麻薬のようなもの。パチスロ業界の20年を食物連鎖に喩えると、草も育たない状況で肉食動物が増えすぎたように感じます。

この調査結果は、自店でユーザーを育てることの有用性を示しているのではないでしょうか。メディアがいくら頑張ったところで、目の前に実機のあるホール側からの発信には適いません。


私は、ホール視察をグリンピース新宿本店から始めました。あちらこちらの原稿に書いていますが、大昔にモーニングを取りに1年間通っておりました。ただ、だから愛着があるというわけではありません。4号機の面白さを教えてもらったホールというのが一番の理由です。

最初期の4号機は嫌いでした。リプレイは打つリズムが崩れてウザったいし、3号機の裏モノと比べたらちっとも連チャンしてくれません。貯金タイプの裏モノであれば、覗いてメダルの溜まっている台を打てば何とかなる。面白さ・瞬発力・勝ちやすさ。このどれも3号機のほうが優っているように感じていました。

変わったのは、務めていた会社に辞表を提出した後に打ったグリンピースでの『ニューパルサー』でした。正直、3号機の『コンチネンタル』を打ちたかったのですが、空いていなかったので仕方なく座っただけです。

壁一面に大量のリーチ目表が貼ってあったんですね。左上段赤7からのリーチ目・・・など、わかりやすいように区分けもされていました。睨めっこしながら打ったら楽しいのなんのって。うっかり止まってくれたときの感動ね。もし、大量リーチ目表がなければ「よくわからない」で終わっていたかもしれません。

そう。まさに“ホール店内の情報発信”で、パチスロの新たな魅力に気付かされたのです。この大量リーチ目の手法は、射幸性を煽るという理由で今は難しいらしいですけどね。


当時は、雑誌くらいしか情報がないというのもありますが。興味のない機種は、そもそもネットで調べたりしないので、あまり変わらないでしょう。「まとめサイト」系も、ほぼ数値が羅列されているだけ。小役狙いも1つあるのが一般的です。楽しさが伝わるほどは、深くはありません。

私のような立場で、このようなことを書くのもどうかと思いますが。メディアの特に文章仕事で、稼働促進に直結させることは難しいです。興味を持って打ってくれた方のモチベーションを維持させるものに過ぎません。雑誌に大量のリーチ目が載っていても、有益な数字が載っていても。その機種に興味がなければスルーされるだけです。

目の前に台がある。目の前に情報がある。この組み合わせができるホールという環境こそが、稼働促進に繋がる最高の場所ということです。大量のリーチ目表などは、あくまでも一例。その機種を楽しまそう、遊技機を“遊技”として楽しませる方向性も、大事なのではないでしょうか。

即効性のある施策が難しい今こそ、道は長くとも確実性の高い方法を模索するべきかと思います。いい加減に育てないと、肉食動物で食い合うしかなくなります。

何軒か視察をして感じたのは、40代くらいの私と同世代のアクロス打ちが、お賽銭を入れているケースが多いということでした。低設定でも“リーチ目1つでも”と楽しめる世代が中心ですね。打つホールを選んだ理由は人それぞれでしょうが、パチスロの楽しさを教えてくれたホールへの応援・恩返しもあるはずです。私のように。