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専門用語は難しい!

2021年02月15日

緊急事態宣言が継続されて、またもやお家時間が増えています。そこで、風営法(パチンコ関係の営業や機械性能を決めている法律)をゆっくり読んでみたりしているのですが、改めて専門用語やその使い方って難しいと思わされます。

風営法の中に“パチンコ”も文字すらありませんからね。正式名称は平仮名の“ぱちんこ”です。京楽のパチンコ機の名称が「CRぱちんこ冬のソナタ」など平仮名表記になっているのは、デザイン等々もあるでしょうが、パチンコを正式名称表記にするという大義名分もあったことでしょう。

ちなみに、パチスロの正式名称は京楽のパチスロ機が使っている“ぱちスロ”ではなく、パチスロでもスロットマシンでもなく“回胴式遊技機”です。まあ、この話は私も至るところに書いていたりしますね(笑)。


そんな目線で最近気になっている用語があります。景品です。特殊景品に一般景品、そしてそれを受け取る景品カウンター。かれこれ何の疑問も持たずに使ってきました。しかし、発見してしまったのです。風営法には景品という言葉が使われていないのです。景品ではなく賞品と書かれています。

景品と賞品はどう違うのか。ちょっと考えてみたくなりました。


一般的に景品とは、メインとなる商品を購入した際に付いてくるオマケのようなもの。または、くじなどの抽選などで運良く当たりを引いた人に与えられるものを指します。一方の賞品とは、優秀な成績などを収めた人に贈られる品物のこと。

くじなどで当たったから出玉がある。その出玉で交換するから景品。そうも考えられますが、パチンコ・パチスロは“遊技”であって、その技能や功績に対して出玉という結果が生じるので“賞品”と考えるのが相応しいように思えます。なので、風営法では景品という言葉ではなく、“賞品”が使われているのでしょう。

だからといって、特殊景品などが誤用で特殊賞品に直さなければならないとはまったく思いません。パチンコではなく、ぱちんこにしろと言わないのと同じです。文字のバックボーンも大事ですが、それ以上に一般のユーザーさんに“伝わることが是”と思っています。特殊景品に一般景品、景品カウンターなどなど。もはや固有名詞ですね。賞品カウンターとか書いたら、そのワードに興味津々となって大事なことが伝わらなくなる恐れがあります。


この賞品と景品の違いが気になったきっかけは、総付景品の存在でした。ファン感謝デーなど、来店するだけで振舞われるジュースなどですね。駅前で配られるポケットティッシュなんかもこれに該当します。遊技の結果と関係なく(関連性があってはならない)、そのタイミングでそこにいるなどの一定の条件を満たすだけでもらえるもの。まさに景品で相応しいでしょう。

総付景品を管轄する法律は、景品表示法となっています。そこには懸賞によらず提供できる景品の最高額は200円(取引価格が1000円未満の場合)と決められています。また、景品表示法だけでなく業界独自のガイドラインにも従う必要があります。

総付景品で配るものは、賞品でないと分かりやすくするためにも出玉で交換できるものと違うものとしなければなりません。配られるジュースがいつもと違って小さかったりするのはそういうことですね。また、景品カウンターで陳列や、配布をしてはいけません。ポケットティッシュの店外配布は、正月三が日を除いて週1回まで。などなど、ガイドラインでもこと細かく決められています。

景品を配るのに景品カウンターを使えないことにクスクス(笑)。ただ、ホールの方々は、賞品と景品の違いを意識することは大事かもしれませんね。理屈から理解していれば、こういうガイドライン違反をしてしまうこともなくなるでしょう。


ユーザーの方々がよく誤用しているのは、“機械割”ですね。「機械割105%だからアマい」なんて使われ方をしますが、元々はホール側で使う用語だったりします。 そのシマ全体の売り上げに対して、どれだけ還元したかを数値化したものです。

そのシマで、10万円の売り上げがあったとしましょう。コイン(正式名称は遊技メダル)に換算すると50枚貸しで5000枚。それに対して、全台で6000枚をジェットカウンターに流されたら「6000÷5000=1.2」。機械割12割ということになります。

この機械割が重宝されるのは、交換差額のある営業形態のときです。6枚交換であれば、5000枚の売り上げに対して、6000枚還元の12割はいずれも10万円。必要経費などは度外視して、損益の分岐ラインが分かりやすくなるのです。現在の東京都は5.6枚交換なので、11.2割が分岐ラインということですね。

これを把握していると、このシマは還元しすぎだからちょっとシメよう。シメすぎだからちょっと出そう……と調整することを考慮しやすくなるのです。実際にユーザー側がシマの売り上げと流した枚数を完全に把握できることはないでしょう。なので、機械割という言葉を使う機会はほぼないかと思います。


それでは「105%」などとスペックを語るときに使われるのは何なのか。こちらは“出玉率”と言います。個人的には横文字表記のPAYOUTが一番しっくりきますが、縦組みの文章だと6文字を使うことになってしまいます。そういった使い勝手からも私は出玉率に統一していますね。

ユーザーの方々に「機械割は誤用なので使うな」と言っているわけではありませんよ。「この人は出玉率のことを言っているんだろうな」とか、想像して置き換えて読みますから。あと、機械割と言いたくなるのも分かります。機械と格闘している感じで響きも格好良いですし、出玉率ほど生々しくもありません。私もこの意識がなかった昔は、機械割と書いていました。お恥ずかしい。

ただ、すんごい上から目線で「機械割どうたら」と書いている人を見ると、良いことを書いていても勿体ないなと思ってしまいます。誤用していることで話の信憑性が下がってしまいますからね。

機械割を出玉率と置き換えることで、違和感を持って主張でもないところに引っかかる方も少ないでしょうし。どちらも普通に意味が通じるのであれば、正しいほうを使っておこう。そんな感じですかね。


その他の誤用しそうなのは、小役と子役。基板と基盤。実戦と実践とかですかね。私も誤変換でうっかりすることも……さすがにこれはないか。パチスロの発信をされる方は、ライターでなくても小役を単語登録しておきましょう(笑)。

メイン基板の組み方が完成して、今後のパチスロ開発の基盤ができた。
「ゲッターマウス」の企画実戦で、中押し手順を実践してみた。
子役から活躍したタレントは、小役をよく引けるのだろうか。

んーあとは何があるだろう。スロッターの前に一人の日本人なわけでして。専門用語以外も誤用はなるべく減らしたいと思う今日この頃なのです。