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2021年を振り返る

2021年12月15日

毎年恒例となった1年の振り返り。こうやって振り返らないと年を越せない気分となっております。私も気分だけは若いつもりでいましたが、ついに50の大台に乗ってしまいました。

20年以上にも及ぶパチスロ生活・ライター生活という不健康を極めた生活が祟り、さらにこのコロナ禍での2年間の自粛生活もあって、いろいろ体に不具合が生じる有様。この10月からは1日1万歩の散歩を日課とするようになりました。パチスロ台の前か、パソコンの前に縛り付けられる特殊な生活。ここまで運動不足に陥る職種もそうそうないかとは思いますが、40を過ぎて体力の低下を嘆いているみなさま、アラフィフになるとその比ではないほど劣化が進むので御用心をば。

今年もまた、京都・清水寺で発表される今年の漢字よりも先に原稿を書いておりますが。せっかく続けてきているのでので、パチスロ界を想像して考えた漢字の発表から始めさせてください。「暁」ですかね。とはいっても、明るい材料は何もありません(笑)。夜明け前の最も暗い時間帯。そんなイメージです。

ということで、暗い話が多くなりそうですが、今年も1年のパチンコ・パチスロニュースを振り返りながら、いろいろ語ってみようかと思います。毎度の如く10大ニュースにはしません。余るほど大きなニュースがなかった印象です(笑)。


◯新型コロナウイルスの影響が続く
10月をもって緊急事態宣言が解除されました。かといってそれまでの日常がいきなり戻ってくるわけもありません。宣言解除後も飲食店は以前の70%ほどの客入りとか。この数値はあながち間違っていないような気がします。昨年の第一波以降、パチンコホールの売上は徐々に回復していきましたが、約70%となったところで頭打ちに。2021年はパチンコホールも休業することもなく、営業を粛々として続けておりましたが、その傾向は変わりませんでした。

コロナ禍における生活様式の変化もありますが、パチンコ・パチスロユーザーのボリュームゾーンともいえる団塊ジュニア世代がアラフィフとなり、以前のように無理をできなくなったのもあるかもしれませんね。私のように。


◯ホール数の減少
昨年、いやそのもっと前から予想はされていましたが、また今年も多くのホールが姿を消しました。2019年末の時点で、パチンコホールの数は9639軒。1万店舗を割り込むのは、1981年以来38年ぶりのことでしたが、その流れは継続しております。2021年6月末には、全日遊連(ホールの業界団体)に加盟しているホールが7897店に。非加盟店舗を合わせても8000軒は切ることになろうかと思います。

最盛期、1995年には18244店舗もありました。都内であれば、パチンコホールのない駅のほうが珍しかったくらいです。フラッと歩いて行ける。そんな日常にパチンコ・パチスロがあったユーザーも多くいたでしょう。お客さんが減ったから地元のホールがなくなったのか、地元のホールがなくなったから遊技人口が減ったのか。卵が先か鶏が先かのような話ですが。

いずれにせよ、来年早々まではこの傾向が続くかと思われます。2022年1月の5号機完全撤去でギブアップするところもあるのではないでしょうか。コロナ禍の影響で5号機の設置期限が1年間延長され、そのおかげで1年間延命できた店舗もあったことでしょう。7000軒、いや6000軒あたりまで落ち込んでも驚きはしません。


◯進まぬ6号機への入れ替え
5号機の設置期間は伸びましたが、6号機への入れ替え目標が示されており、2021年10月末の時点で85%が6号機になっているはずでした。しかし、現実的には62.5%に留まっています。昨年春の一斉休業もそうでしたが、足並みが揃わない業界と思われるかもしれません。ただ、分からなくもありません。それとは違う話・・・なのかな。

来年1月までに閉店することが決まっているホールにとって、入れ替え目標は守るだけ損をする行為です。そのようなホールが多ければ、多少は数値が下がりそうです。また、最近は各メーカーからの新台販売台数が少ない傾向にあります。なるべく在庫を抱えずに売り切りたい。導入しすぎると稼働が落ち込むという思惑もありますが、コロナ禍の影響で半導体や部材の不足に悩ませられているのも重なってきます。ホールに大量の入れ替えをする体力があったとしても、1月までにすべての5号機を6号機にできるほど作られるかは微妙なところとも思います。まあ、あと。そんなに一気に多台数の入れ替えをできるのかという不安点は残りますが。長引くパチスロ不況で設置業者さんも減りましたからねえ。

なお、来年2月になっても5号機が設置していた場合。6号機の遊技機規則下で5号機は違法機ということになり、行政処分の対象となります。90日の営業停止となりますかね。4号機から5号機に移行する際には、そのようなホールはなかったかと思います。


◯6.2号機が導入
9月に6.2号機となる「パチスロ うしおととら 雷槍一閃」や「マジカルハロウィン~Trick or Treat!~」が登場。有利区間の上限が1500Gから3000Gへと伸ばせることになりました。ただし、2400枚と許される出玉率の幅は変わりません。2400枚は内規ですが、出玉率の幅は遊技機規則(法律)なので、7号機になるまで変わることはありません。

出玉設計的な細かな自由度はありますが、それで新たなゲーム性が生まれるなどユーザーレベルでの変化が期待できるものではないかと思います。まったく新しいゲーム性が生まれたら? それは、6.2号機だからではなく、その開発さんのアイデアが凄いということでしょう(笑)。

それよりも、1Gに限ったペナルティが軌道に乗ったほうが大きいですかね。通常時のベース(回転数)を下げた分、出玉関連に回せるようになりました。6.1号機で決まったことですが、なかなか実現した機種が登場せず、出玉試験の方式の変更など表に出ない内規も変わったみたいですね。

ただ、12月に大きなニュースが入りまして。6.2号機も繋ぎ的な存在で終わりそうです。そのニュースは後ほど。


◯管理遊技機時代へ
10月1日より管理遊技機の持ち込み(保通協=検査期間)が開始されました。管理遊技機とは、いわゆるメダルレスのパチスロです。パーソナルとも違って、クレジットとカードユニットのようなものが一体化したものでしょうか。当然、私もまだ目にしてもいないので推測ですが(笑)。いずれにせよ、下皿はなくなります。

6号機の遊技機規則は、ほぼ5号機のものを踏襲して、ボーナスの払い出し枚数や出玉率の数字を悪くしたものですが、数少ない書き換えられた文言が、管理遊技機に関わる部分でした。遊技者がクレジットのメダルを払い出せるように・・・などというのが削除されたりですね。

行政としては、この管理遊技機を推し進めたいかと思います。主にパチンコのほうで。管理遊技機となれば、台を開けることが減ります。長らく続いた釘問題にも終止符を打てるとの思惑です。釘調整の代わりに、設定付きパチンコも作れるようにしてあります。

しかし、パチスロはどうでしょう。コロナ禍もあって衛生的になるのは歓迎ですが、それ以外のアメがないと普及は進みません。この管理遊技機のシステムは、外部にも送信される=ホールの売上が一目瞭然となるので、よほど稼働しないとホールにとってムチとなるだけです。筐体価格もお高そうですし。

売上が明白になったのは、パチンコのCRユニット導入(1992年)と同じですが、その時はCR機とすれば確変を搭載できるとし、それが大人気となって普及が進みました。しかし、現状のパチスロでは難しそうです。確変のように連チャンする機能を作っても、短期や中期など許される出玉率の幅は複数あり、そのどこかに引っかかってしまうからです。それを変えるには遊技機規則改正しかありません。

11月までの段階では、管理遊技機とすれば有利区間の概念がなくなるとのことでした。1500Gや3000Gの上限がなくなるものので、2400枚の制限はそのまま残ると思われていました。ゲーム数の制約はなくなりますが、ホールに対してのアメとしては大きくないのかなと。まあ、登場は早くても来年の春となるらしいですし、2022年のうちに一気に導入が進むとも思えませんが。

・・・というのが、11月までの個人的な見解でした。


◯AT上限となる2400枚の管理方法の変更を発表
12月3日に日電協(パチスロメーカーの業界団体)が「有利区間の終了条件をMY2400枚から差枚数へと内規変更」することを発表しました。MYとは、簡単にいえば一撃出玉のこと。これまで一撃2400枚到達で終了となっていましたが、新内規となれば「2400枚+そこまでハマったマイナスの枚数」となります。そこまでに2600枚ヘコんでいたら、2400+2600=5000。一撃で5000枚を獲得することができそうです。

ただし、遊技機規則で定められている出玉率の上限には、400Gで220%・1600Gで150%というものがあり、純増速度が速いATは引っかかってしまいます。(そこまでハマっていれば)大量獲得を目指せるタイプの機種は、頑張っても1Gあたり3枚程度と純増を抑えた形となるような気がしています。いや、メーカーの開発さんは優秀なので、いろいろこじ開けてもくれそうですが(笑)。

設定変更で差枚数の情報はクリアされるか? 差枚数が大幅にマイナスとなった時のみ発動するAT・・・は、メイン基板管理だから難しそうなどいろいろ考えたくなることもありますが、この原稿を書いている時点では「差枚数管理にしますよ」ということだけ。管理遊技機にしても有利区間3000Gの6.2号機で緩和された上限がどうなるかなどの詳細も、いつから適用されるかも不明なので、続報を待つこととしましょう。

とはいえ、すごいタイミングですな。5号機が撤去されて6号機に置き換わろうとしている時期。新基準機の機体が大きいほど、そうでない普通の6号機に対する購買意欲は薄れるでしょう。ますますベニヤが増えそうですな。


◯パチンコ関連のTVCMが解禁
2021年4月から、TV、ラジオ、新聞等におけるCM自粛が終了となりました。子供が視聴している時間帯は好ましくないということで、午前5時~9時、午後5時~9時の間の自粛は継続していますが。TVCMの自粛は、東日本大震災からで、10年間続きました。この間に許されていたのは、企業のイメージCMに限ります。ホールスタッフさんが街を清掃しているものとか、よく流れましたね。

これ、大きな一歩だと思います。普通に縁のない生活しているとパチンコ・パチスロの情報は入ってきません。ホール数が減少している今は特に。目にするとすれば、ニュースサイトでのあまりよろしくない記事タイトルでしょう。そんな中で新規ユーザーを取り込めるはずがありません。引退する人たちと同じかそれ以上に新規参入者がいる。右肩上がりの時代はそうでした。

「創聖のアクエリオン」の曲がブレイクして原作が再評価されたのも、導入よりずっと前からCMが流れ続けていたから。「冬のソナタ」のシマがそれまで見たことのなかったような層で埋まったのもCM効果でしょう。いいんです。その機種で刺さらなくても、何かやっているなくらいでも。存在を知ってもらうことが大事だと思っています。


正直なところ、5号機の撤去問題も去年から抱えていたことですし、暗くなるのも慣れたと申しますか。おそらく来年は衝撃的な数字を目にすることになるでしょう。ホール数は7000軒割れ、パチスロの総設置台数も100万台を割っても驚きはしません。2年間かけて、その覚悟ができたような気がします(笑)。

なあに、そもそもパチスロはほんの片隅にあったオマケのような存在でした。そこに戻るだけのことです。その2号機・3号機当時から考えれば、できることは格段に増えています。あとはいかにシンプルに脳汁を垂れ流させてくれるか。原点に帰って、また陽が昇るのか。新内規も発表されたとはいえ、今は暗いですけどね。そんな希望を込めての「暁」で今年を締め括らせていただきます。

2022年こそ、ヒット機種が出てくると良いなあ。そう願いながら。それではみなさん、良いお年を!