pachibee
動画検索

13年ぶりの規則改正へ

2017年07月15日

ご存知の方も多いでしょう。7月11日に警察庁から「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則及び遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則の一部を改正する規則案」が発表され、それに対する意見の募集が始まりました。パブリックコメントというものです。

タイトルが長すぎてウンザリする方もいらっしゃるでしょう。ざっくり書きますと、パチンコ・パチスロを管轄している風営法が改正され、機種の仕様が変化します。

パチスロは、ここ最近も5.5号機や5.9号機と変化していますが、あくまでも同じ法律内の自主規制。今回のように法律が変わると小数点以下ではなく、実数が増えます。よって、この改正された法律で出できたパチスロは6号機となります。

私はパチスロが専門なので、その目線で書いてしまいますが。パチンコは、このような呼称がないみたいなんですよね。細かい部分は変わっても、基本は同じ。そんな安心感があったからなんでしょうね。

大事なことなので、一通りは書きますが、もう理解されている方は、ズズズっと下のほうまでスクロールしても構いません。最後に、私がパブリックコメントで提案する予定のことを書きますから。


まずは、なぜ法律を変えるのか。IR関連法案の絡みで、いわゆるギャンブル依存症の対策を推し進めることとなったからです。ということで、本丸は射幸性の抑制です。

基準を作るため参考にされたのは、平均的な遊技時間とパチンコ依存問題の相談機関である“リカバリーサポート・ネットワーク”などからの報告です。平均時間は4時間。射幸性抑制のためには、5万円を下回る出玉とのこと。

パチンコ玉を4円換算すると、12000発ならば48000円で5万円を切ります。パチンコは、1分間に100発を打ち出すことができますが、4時間打ち続けたとすると発射されるのは24000発。12000発浮きを出玉率換算すると150%になります。これを元に、従来から型式試験(機種を世に出して良いかの公的な検査)で検査されていた1時間と10時間での出玉率も調整されました。



大当りの出玉も2/3程度に抑制されました。現行の2400発が1500発となり、ラウンドも最大16Rから10Rになります。


これらも衝撃的ですが、それ以上の変化がパチンコは待ち受けています。パチスロと同様に、6段階の設定が導入されるのです。

この背景には、釘問題が存在します。メーカーが型式試験(世に出して問題ないかの検査)に持ち込む台とホールに納品していた台の釘が異なっていたのが社会問題となりました。法律上は、違法機です。

また、本来はホールも釘を叩いてはいけないんですね。長期の稼働によって、ズレてしまった分を修正することはできます。それを隠れ蓑に、いろいろ触るのが常態化していました。

これらを一気に解決しようと導入されるのが設定です。もっとも、設定を使わせるのですから、今まで以上に釘を触ることは御法度とされるでしょう。要は、設定を付けるから釘は一切触るなということです。

ちなみに、プレイヤーが玉を触らずに遊技でき、ホールスタッフも釘をいじれない“封入式パチンコ”への道筋も法律案には書かれています。

パチンコにも設定がある時代もありました。『CR大工の源さん』や『ギンギラパラダイス』などです。ただ、いかんせん25年前以上のことなので、正直なところどうなるかはわかりません。私、たまに打っていましたけどね。でも、やっぱり大事なのは釘だったものでして。

最近のパチンコはよくわからないのですが。パチンコをお好きな方は、思うことなどありましたら、パブリックコメントを書いてみるのはどうでしょう。私は、ユーザーの意見を監督官庁の警察にもっと届けるべきだと思います。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=120170011

このページから書くことができます。詳細な資料もありますが、難解な法律文書なので、読むのは疲れるかも。3つある中では、中央の「別紙」に概略が。出玉率規制の詳細は、新旧対称表のP.28以降に書かれています。

ま、ここに書いてあるのがほぼすべてなので、読まなくても大丈夫です(笑)。


続いてはパチスロです。





パチンコと同様に、出玉率と大当り時の出玉が厳しくなりました。こちらは、専門なので、もう少し突っ込んで書きましょうかね。

パチンコは、1分間に100発の打ち出しと決まっているので、時間単位で出玉率を検査されますが、パチスロはゲーム数によって管理されています。400Gは1時間。6000Gは1日。17500Gは3日という塩梅です。そこに、4時間相応の1600Gが加わることとなりました。同様に、出玉率の上限は150%です。

この150%は、いままで6000Gの上限となっていました。それに合わせ、ほかも調整されています。これ、本当に厳しいです。今までの基準でも、型式試験では出玉率に引っかかって不適合となるケースが多いのです。

不適合となると経費込みで数百万円(開発費は別)が飛んでいきます。チェックポイントが増え、さらに下限も設定されました。今までよりも攻めたスペックは作りにくくなります。

17500Gの長期出玉率の上限は115%ですが、いまの120%でも119%あたりの機種は少ないですよね。同様、現実的に考えると頑張って110%あたりになるかと思います。

ま、それよりも厳しいのは、400Gの短期ですけどね。いまの300%でも、ノーマル機には大きな関門となっています。AT機やART機の出玉が問題になったのは理解しますが、ノーマル機まで締め付けるのは納得がいきません。ええ。4号機から5号機のときもそうでしたが。

あと、大当り時(ボーナス)の出玉も、パチンコと同様に2/3程度とされました。表に載せた数字は、純増ではありません。払い出し枚数です。最大純増は、それを1枚掛けで消化した場合のもの。でも、それをやると短期出玉率が大変なことになります。

とまあ、出玉の規制を長々と書いていますが、それ以外の変更がないからです。法律の文言上は、数字以外5号機と同じです。そう6号機は5号機の劣化コピーなのです。

4号機への改正ではリプレイが追加され、ボーナス中も期待値方式というのが一般化しました。5号機では、リプレイ確率を変動できるタイミングが明文化され、担当官の理想とするパチスロ像が垣間見えました。しかし、今回は出玉を規制するだけで。新たなゲーム性に繋がる部分が一切ありません。

そう考えると、まだパチンコのほうがマシなんですよ。釘読みやボーダー理論を好む従来のファン層は離れるかもしれません。しかし、それが苦手だからと敬遠していた層を振り向かせられる可能性はあります。


今回と同じように、ゲーム性と出玉性能を押さえつけただけの改正も過去にはありました。3号機時代です。この時は、裏モノが蔓延してしまいました。いまそうなると社会的な大問題となり、業界自体がなくなりかねません。見切りをつけるところはやりかねないでしょ。そういった自爆テロが怖いです。


パチスロのほうのパブリックコメントは私も書きます。もちろん、射幸性の部分は尊重します。方向性に関しては賛成なので、ゲーム性の幅を担保することを狙いとします。この数値ではノーマルのちょっとした連チャンすら楽しめませんもんね。異論反論はあることでしょうが、無知がバレるかもしれない恥を忍んで書いてみます。


パチンコは1分間に100発発射されると説明しましたが、これは法律に遵守しているからです。1分間に400円が基準となっています。

パチスロも同様にすべきという模索は長年されています。4.1秒のウェイトも、1/7.3以上で抽選するリプレイ(コイン消費がなくなり)も、そのために搭載されました。

しかし、現状はどうでしょう。ちょっとゆっくり打っても、1分間に10Gは回せます。うち、1.5回リプレイが揃ったとしても、8.5G×3枚×20円で510円となります。時間800Gも回したら、その金額はもっと大きくなります。パチンコとパチスロで出玉率の幅が異なっている(パチスロのほうが厳しい)のは、これも一因だと思うんですよ。

貸しメダルの料金の上限を20円から10円にしてみるとどうでしょう。リプレイがなくても、1分あたり400円はラクにクリアできます。1時間あたり600G回すとして、4時間ならば2400G。ここで5万円分のコインが出なければ、警察庁が示した射幸性対策の基準にも合致します。

パチンコに合わせて48000円の4800枚としましょう。2400Gで使うコインは、7200枚。その払い出しは12000枚まで大丈夫です。166%までいけますね。10時間段階の6000Gもパチンコと同様に133%。17500Gとか、もうヤメても良いのでは。ちなみに、これにリプレイを合わせれば、投入枚数が減るので、もっと高くもできます。

私の案のメリットは、1分間400円という共通のルールを守れること。そして枚数を出せるようにすることによるゲーム性までも殺しかねない締め付けの緩和です。

問題となるのは、5号機も併設している状態で、新法施行時にいきなり10円にできるのかということ。もちろん、検定・認定切れとなったら撤去される運命にありますが、それまでの間は特に大丈夫じゃないですかね。だって、出玉率以外の法律は全部同じですし。

金額が半分になれば、撤去が進められる高射幸性のリストからもハズれる機種が増えることが予想されます。一石二鳥どころか三鳥では?

警察庁がこだわっているのは、時間と金額による射幸性の抑制でしょう。出るから楽しいというのがダメと言っているわけではありません。また、ゲーム性自体には異論がないから法律の文言を変えていないとも捉えられます。あ、こういったことに詳しい方、突っ込まないでくださいね。私、別表第5だけであって、風営法の専門家ではないんで(笑)。

これを嫌がるのはメーカーかな。10円にされると台が売れなくなるので。頑張ってくださいとしか言いようがありません。厳しい言い方をして申し訳ないですが、稼動貢献が一桁週で終わる機種が多すぎます。この稼働を倍にできる機種なら、ホールも喜んで買ってくれるのでは。

ま、ゲーム性の緩和は、解釈基準の改正などでもできますけどね。5号機創成期は、もっとシンプルなゲーム性でしたよ。私はいまより個性的な台が多かったから好きでしたけど。


この意見を押し付けるつもりはありませんよ。ご時世的に射幸性を高める方向はダメですけどね。人それぞれで楽しいと思った頃のパチスロを復活させられるエッセンスを警察庁に意見するのが大事ではないでしょうか。パブリックコメントにはそういう側面もあって良いかと思います。今まで、ユーザーの声がまったく届かない世界でしたから。

ということで、我こそはと思う方はぜひとも書いてくださいませ。パチンコ絡みでなく、もっと大事な法改正の際の練習にもなるかもしれませんぜ。それだって、パチンコ・パチスロをやっていたから学べたことの1つとなります。お金の増減以外に、なにかを得て欲しいかな。なんちゃって。

もう1回アドレスを貼っておきますね。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=120170011