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低交換率のホールは好きですか?

2017年08月15日

パブリックコメントも締切られましたね。これを受けて法改正が着手されることになります。噂では、なんかもの凄い数の意見が集まったらしいとのこと。私が送ったものも含め、ほとんどの意見は反映されずに終わることでしょう。

「そもそも大当たり金額の抑制は、依存問題対策に繋がらない」とか、こういった議論がなされたのも初めてではないでしょうか。本当は、法律案が書かれる前にしなければならないことだったように思えますけど。そういった射幸性を維持することに繋がる意見もある一方、レートを下げよう。交換率も低めにしよう。そんな声も聞かれました。

なにが正解とかないんですよ。パチンコ・パチスロとの向き合い方や、ゲーム性としての好みを考える機会になったと考えれば、実に有意義なものにできたかと。多くのホール・設置機種から“より好みのもの”を選びやすくなるのではないでしょうか。遊技として楽しむことに繋がってくれれば幸いです。

ま、これだけ大きな反響があれば、次回の法改正ではもっと練られるようになるかもしれません。私はそちらに期待しています。パチスロの6号機の遊技規則、数値以外は5号機の使い回しですから。ほんと手抜きですわ(笑)。

ということで、あとは結果待ち。

法改正を受けて、高射幸性と指摘された旧基準機(サブ基板管理のAT・ART機)の撤去期限なども決められていくことでしょう。これから機種によって3年間ちょっとくらいかな。パチスロの世代交代が進んでいくことになります。

依存問題などの流れは速いですが、いきなり今の機種がすべて打てなくなるわけではありませんからね。早くハズされるものもあれば、2020年の東京五輪過ぎまで残るものもあるでしょう。


法改正以前に。ここ数年でいろいろな規制がなされ、こんがらがっちゃいますよね。現状のホールに設置されている機種は、ざっくり3種類に分類できます。

1)高射幸性と指摘された旧基準機
2)高射幸性と指摘されていない旧基準機
3)5.5号機以降

(1)については、法改正と関係なく撤去方針の大枠が決まっています。今年の12月に設置比率30%未満(昨年12月で50%)。これを完全に0%とするのか、ソフトランディングするのか……ええ、わかりませんけど。これが一番の存亡の危機。打ちたい機種はお早めに!

それ以外の機種も、6号機の法律になったら違法機となるので、いずれは撤去されることになります。ただ、これらはまた違った分類をするとわかりやすくなります。

3)検定期間が残っている機種
4)認定(部品交換などの保証期間)ありの機種
5)認定も切れている機種

実機の部品が壊れた場合、ホホイと換えてしまってはならないんです。事前と事後のものはありますが、警察の許可が必要。“検定”とは、その部品交換を受け付けてくれる保証期間のようなもの。“認定”は、それが切れた後に「まだ修理させて!」と、ホールが延長をお願いすることです。いずれも期間は3年間です。

検定や認定が切れて、再度の認定を受けなかった場合の(5)は“みなし機”と言われます。設置して営業しても問題はありませんが、バックライトが切れているくらいは当たり前。部品交換が必要な故障となってしまうと、残念ながら撤去せざるを得なくなります。

検定・認定のある機種は、その期間は設置できるのかな。検定は大丈夫そう。それ以外は……ええ、わかりません。そんなときに役立つのが過去の事例。4号機の撤去はこんなタイムスケジュールでした。

2004年7月:改正法が施行
2005年12月:検定切れ機の設置期限を発表
2006年6月:みなし機の撤去
2007年9月:『俺の空』検定終了で撤去

検定が残っている機種は、それが切れるまで設置できたので、最終的に4号機は、法改正されてから3年後の2007年夏まで打つことができました。1機種1機種と脱落していって、なんとか残ってるくらいな感じになっていきましたけど。

この当時“認定”はあったのだろうか。当時、そんな単語を聞いたことがありませんでした(後述)。それ以外の既に検定が切れている機種は、法改正から約2年後の2006年夏まで。このカレンダーだけを見ていると、随分ゆったりしてくれているように思えます。今回もそうなるとは限りませんけどね。

最短ならば、来年2月とも噂される改正のタイミングでの一斉撤去ですが。その直前は、まだ出てきてすらいない5.9号機になっています。どれだけの台数を用意できるかも未知数。ハズすことだけ決まっていて、入れる機種がなくなるのだけは避けて欲しいところですね。


ま、長いことパチスロを打ってきましたが。もっとも悲しかったのが、4号機から5号機への法改正です。いや、5号機の法律は嫌いじゃありません。この“みなし機”撤去です。

2006年6月まで、なんと昭和生まれの1号機ですら打てたんですよ。『アニマル』『コンチネンタル』『リノ』といった検定取消処分となった機種も打てました。うん、裏モノもたくさんありました。

さすがに『ミリオンゴッド』『アラジンA』などの4号機爆裂AT機は、とっくに強制撤去されていましたけど。今から思えば、強制撤去の歴史、方針はここから始まったんですな。

検定切れ後の部品交換? もちろん、していたでしょうね(笑)。倉庫には部品取り用の実機が転がっているのが珍しくなく。“認定という単語を聞いたことがなかった”というのは、部品交換に許可が必要ということを打ち手の立場から認識するのが難しかったのもあります。その発想はなかったというヤツです。

いずれにせよ、撤去期限が決まった2005年暮れから2006年夏までの間は、打っておきたいレトロ台を行脚する旅ばかりとなりました。ピルグリム。聖地巡りです。


4号機末期は等価交換が全盛となって久しい時代。しかし、そういった聖地の多くは、低交換率のところが多かったんです。

私が打つようなレトロ台は、低交換率時代に流行った機種が多いので違和感はありませんでした。いやその……残してくれているだけでありがたいんですが、やっぱ設定は悪いんです(笑)。

それでも、やっぱり低交換率は良いなと思わされました。

流行の儲かる機種が少ないので、経営的には大変だと思うんですよ。でも、レトロ台目当てで多くの機種をチョロ打ちしてくれる人が少しだけ来てくれる。それを利用して、交換差額で利益を出そうという考え方です。交換差額は“機種の保管料”と思えば安いもの。

では。それらの機種がメインだった頃は、と言うと。交換差額の利益は、ユーザーに還元されていました。利益が出るから、設定を入れられる。設定を入れるから、交換差額が発生するくらいの集客に繋がる。薄利多売を最大化する手法です。

打ち手からしてみると、成功体験が増えるんです。当たり前のように高設定を使っているホールが、そこら中にあるんですから。各ホールのクセなどを見抜いて、狙い台を絞る楽しさがありました。あとは、持ちコインがある限りブン回すのみ!

今も頑張って設定を使っているホールはあることでしょう。ただ、アツい日のみだったり。等価交換では絶対量が少なすぎます。これでは読みようがないんですよ。全6のシマを探すとか……台じゃなくてシマですからね。人もうじゃ〜っと来ますし。

通常営業から頑張ってくれていても。やはり絶対量が足りないです。クセを見抜こうとトライしようとしても、ほぼ挫折感を味わうのみ。多くの人に「俺でもツモれるかも!?」と思わさせるのが、ホールができる楽しみの発信ではないでしょうか。

5.9号機の性能がどうだ、6号機がどうだ。そんなことよりも、そのホールの力量が大事なんじゃないですかね。特に、地元のお客さんに向けた通常営業の。

私、やっぱり等価交換が嫌いですわ。あ、東京の5.6枚も。これじゃ等価と変わらん。って、『ハイパーリノ』は交換差額分だけきっちり負けさせられてますけど(笑)。


多くのユーザーさんが勘違いされていると思うんですね。

「設定1でも跳ねないと勝てない」
「等価交換でないと勝てない」

何か起こった時に取り返せる金額が大きくなる。申し訳ないですが、これギャンブル依存症に繋がりそうな考え方です。低設定でも跳ねる機種は、低設定しか入らなくなるので、長期的視点では理論値マイナスばかりを打つことになります。

勝ちやすい環境って逆なんですよ。2000年くらいまで、宮城県は一律で8.4枚交換でした。それが自由化されたんですね。ほどなくして、私の友人はスロプロを引退しました。

8.4枚交換の時に連れスロしたら「『バーサス』の設定3判別って、ここには2以下の台はないよ」と笑われたものです。実質的な初当たりの重い機種を避けるなどの基本を抑えておけば、狙い台を失敗した時のリスクも少なく。というか、狙い台がゴロゴロある状況でした。

もちろん、結果も伴わなかったのでしょう。それと同時に“ないものを探す”ことも珍しくない環境の変化にウンザリしてしまったのも想像できます。

1パチ5スロというレートの下げ方もありますが。結局、ホールとしては売上(利益)も減るから、設定を使いやすくなるわけではないんです。光熱費と人件費は1/4になりませんから。あ、ついでにハマった時のイライラも1/4にはなってくれません(笑)。

フラっと入ったホールでも楽しめるのは、やっぱり高設定を入れやすい低交換率の営業だと思っています。ホールも個性(営業努力)を出しやすくなりますし。

ただ、そうはならないんでしょうね。等価にお客さんを取られる……というチキンレース。全国的に等価だらけになったのは、そんな背景もあったように見受けられます。


こんな想いもあって、交換率のことも少しはパブリックコメントで触れました。

しかし、あれは書き方が難しいものですね。「低交換率のほうが楽しいじゃん」なんて普通に書いたら見てももらえそうにないかな。そう考えたばかり「交換率が一律でないのは、地域・ホールによって射幸性が変化することを意味する」こんな感じに。うん、カタい。でも、カタくないと説得力なさそうだし。

なにはともあれ、書かれた方はお疲れさまでした。