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短すぎた5.9号機時代

2018年06月15日

先日、日電協(日本電動式遊技機工業協同組合)の総会が開かれ、2017年度にパチスロの新台の出荷台数となる“証紙”の発給枚数が約41万枚と発表されました。

日電協はパチスロメーカーの団体ですが、すべてのメーカーが加入しているわけではありません。パチンコメーカーの団体の日工組(日本遊技機工業組合)も新台の証紙を発給しており、その数は約17万枚。どちらの団体にも加入していないメーカーもありますが、昨年登場した新台は約58万台ということに。

唐突に数字を言われてもピンとこないことでしょう。日電協の発給枚数は、前年度比マイナス32%。昨年末時点でパチスロ台は約170万台が設置されていたので、入れ替えられたのは約34%となります。

慌ただしく5.9号機へと移行し、メーカーの供給体勢も鈍化。また、今年2月には遊技機規則も改正されました。それに伴い、前倒しで既存の設置台の“認定(設置許可のようなもの)”がどうなるかなど、先行きが不透明だったこともあるでしょう。ホールの新台購買意欲は高くありませんでした。

ちなみに2018年度もほぼ同水準を予想しているそうです。(申請すれば)認定を受けられましたし、高射幸性と指摘された旧基準機の撤去スケジュールも定まりました。無理をして新しいものを入れなくても……そういう流れですもんね。検定や認定が切れたものを中心に入れ替えよう。そうなります。

いかん、前回に引き続いて暗いですね(笑)。いやいや、実はそんなことはありません。ユーザーにとっては悪くないんですよ。そもそも、私はホールが脈絡なく新台を買い過ぎと思っていたくらいなんで。


ホールが新機種を買わなくなると、その分の費用が浮くことになります。集客するために、出玉還元か打ちやすい環境への設備投資を考えますよね。考えないホールは潰れて構わないと思います(笑)。

少なくとも、2020年からはホール内も禁煙に。喫煙室の設置は可能なので、リニューアルすることになります。USBが各台に設置してあると便利とか、細かいニーズをどれだけ拾えるか。うん、設備はざっくりこれだけで。

やっぱり出玉ですね、出玉。これも一言で片付けられてしまいそうですが、長期に稼働することが前提になります。ほんと、これが大事。設定があるから狙いにくる人だけでなく、その機種が好きな人もシマにはいますから。楽しさよりも勝ちという場合も、そりゃ楽しいほうが良いに決まっています。

入れ替えが少なくなると、機種を長く楽しめるんですね。オッサンたちが大昔の機種を懐かしげに語るのは、長く打っていたからです。冷静に考えて、2号機や3号機のゲーム性なんぞ、4号機以降の足下にも及びません。

2010年くらいからかしら。面白い部分を体感する前に、プレミアムとかではなく、通常ゲームの楽しみ方を考える間もなく入れ替えられてしまうことも多くなりました。

もはや、それが当たり前。ユーザーも多くを望まなくなっていったように感じていました。「通常時クソなのはデフォ」で、当たった先のイケイケ感が重視され。そういった機種が数多く登場してきました。3年後も稼働していることをメーカーが想像することも少なかったでしょう。もちろん『まどマギ』や『番長2』とか『バジリスク』系など、しっかり毎日打たれても飽きないよう考えていたと思いますよ。あくまで一般論よ。

ホールの新台購買意欲の低さが意味するのは、メーカーも今まで以上に“長期稼働させる前提”で作り込みをしないと売れないということです。

その機種が自分に合うかはさておき、面白い台を打てる確率が上がる。ホールも長期稼働させなければならないから、それなりに設定も入りやすくなる。このような良い連鎖反応が起こりやすい環境になっていくチャンスだったりします。うん、楽観論すぎるかもしれませんけどね。


そんな面白い機種、出てくるの? そう思う気持ちもわかります(笑)。メーカーの開発さんの底力は半端ないと、最近強く感じています。特に、オリンピアと平和。

正直、5号機中期からは率先して打つことがめっきり減ったメーカーでした。ほとんどがAT機でタイアップに合わせた演出と、跳ねる要素をチョロチョロ入れ替えているくらいなんですもの。アニメとか疎いから、もうなにがなんだか。

そんなところに出てきたのが『不二子TYPE-A』。枚数変動方式のBIGとか発想が凄い。『鉄のラインバレル』とか思い出しましたよ。わかる人だけわかればよろし。

あと、巷で話題になっている『ル●ン三世-世界解剖-』も。伏せ字にする意味はなさそうですがなんとなく。これも書きすぎると怒られる可能性があるので、お口にチャックをしますが、システムマニアなら妄想する甲斐ありますね。

これらは5.9号機です。2017年10月以降の新規設置は5.9号機のみ。そして、保通協の型式試験(世に出せるかの検査機関)に5.9号機を持ち込めたのは、2018年1月末まで。あまりにも短すぎたと思わされます。型式試験の予約が満杯となり、出すことができなかったアイデアもあったことでしょう。

そんな中にも、6号機でも使えるアイデアがありそう。出玉面の制限はありますが、遊技機規則自体は大きく変わっていません。AT関連はゲーム性の自由度が増したので、いろいろなメーカーが新たなアイデアを出してくると思っています。


冒頭に書いた日電協の総会では、こんなことも語られました。6号機は5月中に4機種が適合を受けています。おそらく2月1日に持ち込まれたものなので、ゲーム性緩和の内規は適用されておらず。おそらくノーマルだと思いますけど。

あ、これ。保通協のHPの統計資料に載っているんですけどね。そこを見ると結果書が出された6号機の適合率は、4/33で1割程度です。5.9号機は13/14。不適合だとお蔵入り濃厚なので、スペックは攻めてないですね。そんなこともわかってしまいます(笑)。

いずれにせよ、6号機時代はもうすぐ。いろいろありましたし、これからもいろいろあるでしょう。しかし、少しは期待できるんじゃないですかね。ちょっと聞いたところでは、10月には誰もが知るシリーズ機が6号機になって登場するようですよ。楽しみに待ちましょう!