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7月30日(月)価格が高い

2018年07月30日

某月某日

暑い。デブには厳しい。体液まで漏れ出てきそうな暑さである。

営業車を停めてホールの駐車場を歩いていると、巡回しているスタッフが目に入る。平成も今年で終わりだというのにも関わらず、昨年も車内放置で亡くなった子供が2名いた。

子どもの車内放置撲滅キャンペーン(リンク)

昭和~平成初期の時代は子供もホール内で遊んでいたようで、知り合いにもパチンコ店の駐車場キッズだったという人がいる(30代前半女性)。冤罪事件として有名な足利事件を含む北関東連続幼女誘拐殺人事件以降は、ホールへの子供の入場・18歳未満の入場が厳しくなったので、そもそもホールに子供を連れてくる人間は皆無かと思いきや、未だにホールに子供を連れてきて車内放置で死なせてしまう人がいるのか。体力には自信がある自分でも、酷暑の中エアコンの効いていない車内に15分いればこの生涯を終える自信がある。今年は死者なく、というか車内放置なく過ぎていただきたい。


その日は地域密着の小規模ホールを訪問。事務所が2階でエレベーターなしは営業マンにとって死活問題だ。見本機はとても重く、さらにカバンに資料や紙袋、クソ重いのにワンハンドでのオペレーションを強いる店舗構造に気が滅入る。店長に機械を見せてと言われることは大手でも零細でもほとんど変わらない。

「価格が高い」
これに尽きる。取りつく島もない。

もう何度もこの話題に言及しているのだが、確かに自分が入社した頃と比べると7~10万は値上がりしている。ただ値上がりする前からこの人たちは「値段が高い」と言っている気が。

ではいくらなら「値段が安いのか」気になるところである。聞いてみると、「100円?」…ガキかよ。「20万切ってようやく考えるレベル…とでも思った?10万切っても高いわ。」とのことなので涙ながらに階段を降りて退店した。

最近はこういった口の悪い人も減ったが、業界に染まった独特な人はまだ稀にいる。値上がりの連鎖はこの先止まることはない。もっと高くなるだろう。ホールとメーカーの乖離はまず機械価格にあることは間違いないのだが、メーカーから是正することはまずない。

部材の値上げ、部材調達はどのメーカーも頭を悩ませる問題ではある。以前よりも販売台数が減っている現状を加味すればシビアな調整をメーカーは強いられているのであるが、故に売れないなら値上げしたれとメーカーの悪い部分がモロに出始めている。

誰が悪いとか、そんなことはないのではあるが、自分はどうしても「革新的なデバイスを付けた機械が売れます!」とかそういう方針に誘導したコンサルがいそうで疑っている。そりゃ筐体や役物のインパクトはメーカーがホールに売る分には大きな武器ともなり得る。ホールに売る分には。機械を決める人は30分どころか15分も打たない。この日のように演出を見るだけの人も大勢いる。であればその人たちのウケがいいように作るのが正しく効率の良いマーケティングなのだ。やっぱり。


見本機をトランクに詰め込む。ゴロゴロと台車を転がす音が聞こえた。他メーカーの営業マンが見本機を持ってホールに向かうところのようだ。目が合ったので会釈はした。あのメーカーの機械を店長は「値段が高い」というのだろうか。多分言わないだろう。言ったところで大分ニュアンスは違うと思われる。

商品力、実績…結局はお前んとこの機械のくせに高いということなのだ。この先、機械が70万になろうと80万を超えようと抱き合わせでも買うホールはあるだろう。そんな中でも何度も言うように償却スパンを明確にイメージできて実現する安価な機械は必要だと思うのだが。

俺の頭がおかしいのか。酷暑の日差しは人をおかしくするのかもしれない。