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2020年を振り返る

2020年12月15日

1年の振り返りも4回目。昨年に引き続き、京都・清水寺で発表される今年の漢字よりも先に原稿を書いておりますが。乗り掛かった船なので、パチスロ界を想像して考えた漢字の発表から始めさせてください。「禍」これしか思いつきませんけどね。パチンコ・パチスロだけでなく、全世界がコロナ禍に左右された年となったのは言うまでもありません。

ということで、今年も2020年のパチンコ・パチスロニュースを振り返りながら、いろいろ語ってみようかと思います。10大ニュースにはしません。そんなキリよく思いつきません(笑)。もちろん、コロナ禍に関連したものが多くなりますが「それでどう変わったのか?」ということを中心に書いてみたいと思います。


○新型コロナウイルスの破壊力

2月から新型ウイルスの影響が暗い影を落とすことになります。2月22日に開催予定だったユニバカ×サミフェス2020も延期を経て中止に。その他メーカー発のファンイベントも続々と中止を余儀なくされました。また、2月下旬からはホールにも「集客を目的とした広告宣伝の自粛」が要請されます。

4月7日。7都府県に緊急事態宣言が発令されます(16日に全国へ拡大)。それを受けて21日に全日遊連は全国の組合ホールへ休業要請を通達します。途中で知事から営業を続けているホールの店名を公表されたり、凄まじいバッシングを受けたりもしましたが、28日の段階で休業率は90%に。5月4日には98%に達しました。

この緊急事態宣言は、5月14日に先行して39県が。25日には全ての自治体で解除されるまで続くこととなります。宣言の解除や自治体ごとの感染状況などが異なっていたので、休業の開始や営業再開の期日は必ずしも一致しませんが、長いところでは2ヶ月弱もホールのネオンが消えることとなったのです。

もちろん、パチンコ業界だけではありませんが、大変でした。いえ、現在進行形で大変です!


○遊技機の検定・認定期間の延長

遊技機が世に出てくるためには、保通協(保安通信協会)の型式試験で適合を受け、その結果書を持って各都道府県から設置許可を得る必要があります。それを「検定」と言います。また、その期間が切れた後にする延長を「認定」と言います。厳密には部品交換の権利とか微妙に違う部分もありますが、簡単に言えば設置許可です。

その期間は、従来3年間(検定・認定ともに)と決まっていました。現在は5号機から6号機への移行期ということもあり(5号機は新たに認定を受けることもできない)、機械を撤去するスケジュールのみ決まっていました。しかし、このコロナ禍で保通協の試験体勢も縮小。多くの部品から成り立っているパチンコ・パチスロ機の生産もままならなくなりました。

6月に出たパチスロの新機種はゼロ。地域によってはパチンコもゼロでした。撤去だけ決まっていて、それに替わる機種がない状況。コロナ禍もいつまで続くか分かりません。

そんな状況もあり、業界団体が一丸となって「検定・認定」期間の延長を陳情。「高射幸性といわれている機種は従来の3年期日で外します。伸びる機種も段階を経て外していきます。ホールからも誓約書を書かせます」どこまでかは分かりませんが、このような約束をして認められることとなりました。今後は、検定・認定ともに4年間です。

もちろん、コロナの影響で臨時的に決まったものですが、文言を読む限り但し書きはなく。また改正されて3年に戻るのかもしれませんけどね。なお、現在設置されている機種に関してはこのように決まりました。

・高射幸性と指摘された遊技機は、当初の検定&認定切れで即時撤去
・2021年1月以降に検定&認定が切れる遊技機は、2021年11月30日まで延長
・ちょいパチ&1/100未満の甘デジ&ノーマルAタイプなどの遊技機は、当初の設置期限から210日以内で延長(7ヶ月:東京五輪期間は別途延長)
・それ以外の遊技機は、2021年1月11日までに撤去(2020年内から変更)

何が凄いって、検定も認定も法律に書かれていることですが、5月20日に改正されて即時発効したことです。

ちょうどこの頃に認定切れを迎えている機種もありました。『沖ドキ』です。各都道府県によって検定・認定が切れるタイミングは微妙に違いまして。5月19日に認定切れとなる県では撤去しなくてはならず。20日以降に切れる県は、そのまま延長して設置できたという悲喜こもごもな結果となりました。こればかりは運ですね。それほどまでに迅速にまとめてくれました。ユーザーとして感謝!


○『サラリーマン番長』などの撤去問題

先に書いておきますが、機種が悪いのではありません。高射幸性と指摘された遊技機は、従来の3年間が過ぎたら撤去する。そのお約束と引き換えに検定・認定の期間が延長されることとなりました。しかし、撤去しない、逆に増台するホールまで出てくる始末。

機種の内容に関わらず検定・認定の期間が伸ばされたので、法的にはセーフです。しかし、約束を守ることを前提に受け取ったご褒美なわけでして。それで約束を守らないのはモラル的にアウトと言わざるを得ません。一部の「やったもの勝ち」と思っているところがあるから、全体でバッシングをうけることにもつながるのです。マジ、迷惑。

大昔の非合法機(裏モノ)とか大好きな私が言っても説得力がないかもしれませんが、いまはそういうのが許されるときではありません。

外さなければならない機種を設置しているホールへの通報・確認システムの運用も始まっていますし、中古機流通協会は中古移動の証紙を発給しないとか、メーカーによっては新機種を販売しないとか。業界内からも圧力をかけています。

この期に及んでまだ設置しているホールは、もう閉店する気マンマンとしか思えないんですよね。なら、もちろん出玉を見せる必要もないでしょう。私は置いてあるだけでパスだな〜。あ、大阪府は認定が他の県と異なるので、落ち着いて判断してくださいませ。


コロナ関連の話は気が重くなるので、機種の話でも。新機種導入のペースがグチャグチャになったりもしましたが、ちゃんと光るようなトピックスもありました。


○『いろはに愛姫』が高稼働

大都技研から登場した『いろはに愛姫』がコロナ禍の前だけでなく、現在も凄い稼働を保っています。ちょっと変わった作り方で、やりようによってはアマく打てるのが人気の秘訣。

設定は左と中と右と6。設定の左〜右は、BIG中やART中に発生する青7揃いの押し順3択の割合の違いです。設定左であれば、左正解が50%で残りが25%ずつ。設定中ならば中正解が50%。設定右ならば右正解が50%となります。

誤った押し順ばかりを狙っていると出玉率は96.8%ですが、正解の押し順で打ち続ければ104.1%に。104%は1日の稼働8000Gで1000枚弱のプラスとなります。

導入当初は、アマさに悲鳴を上げたホールが稼働を停止させるケースが続発しました。ただ、いまはアマさを分かった上で、集客に期待して設置しているホールが残しているのでしょう。機種ごとに役割は異なります。良いことです。


○遊タイム付きのパチンコが登場

何事もなければ、2020年のトピックス1位はこれだったかもしれません。休業を余儀なくされるホールもあった4月20日に導入された『Pフィーバー真花月2 夜桜バージョン』を皮切りに“遊タイム”を搭載したパチンコが多く登場してきます。

“遊タイム”とは、規定回転数の間、大当りを引けなかった場合に時短が発動する救済機能のこと。特に500回転で時短が発動し、ほぼ大当りとなる『Pモモキュンソード』が遊タイムを体感しやすいことで人気となりました。このように天井救済的な意味合いとして使われることが多くなっていますが、いろいろな使われ方をしたほうが面白そうかな……という長文は前々回に書きましたね(笑)。

前々回へのリンク:http://www.pachibee.jp/ivent/view/1977

老婆心ながら注意点を書かせていただくと。大当りの間に発動できる遊タイムは1回のみ。遊タイム後に再びハマっても発動してくれません。その辺りや発動できる時短の種類など。もう少し作れる幅があっても良いんじゃないかなと思います。ええ。

 


毎年、暗い話でシメることが多くなってしまっていましたが、今年はそうではありません。もうこれ以上暗くなれないとも言いますが(笑)。

ぶっちゃけて、ホールの数は減ると思います。6号機への入れ替えだけでも大変だったところに、コロナも来てしまいましたから。もうそこは織り込み済みということで。逆に、これでも続けてくれるホールって、優良店になる可能性が高いともいえます。競争相手が減って、ボッタクリになる可能性もありますけど。

コロナも第三波やこれからのピークがどうなるかは読めませんが、荒唐無稽なバッシングももう受けないでしょうし、少なくとも今年よりかは心穏やかにパチンコ・パチスロを楽しむことができそうです。もちろん、感染予防はしっかりとやりながら。

2021年が皆様にとって明るい年となることとコロナの収束を願いつつ。良いお年を!

©DAITO GIKEN,INC.
©SANKYO