怖いものがなくなっているので書きますと。そんなに目新しいことをしていないのに「業界初 新機能搭載」などという文言に辟易としております。「レア小役の確率変化」とかその最たるものですね。

5号機以降、小役の確率が変化することは禁止されています。確率が変わるとしたら特殊リプレイです。RTにブチ込んで見た目上の揃う形を変えているだけではないか。そう思ってしまうんですね。そういった機種も多くありました。そして、今回もそうだと思いました。

が、打ってみると確率が変化するチェリーもスイカも3枚の払い出し。「特殊リプレイではなく、ホンモノの小役だと!?」そんな驚きから試打開始となりました。

先に書いておきますが、あくまでも私の予想システムです。これだったら作れるという「ハズレだったとしても、まだ見ぬ機種の予習になる」妄想です。そういう機種が出て来なかったら・・・それがダメな内規があるんでしょうと学びにつながります。どう転んでも損はしないのです(笑)。

▲10月2日導入開始

今回もですが、基本的なゲームの流れなどは機種解説ページや動画を確認していただければと思います。基本的にはAT機です。メダルが一気に出て面白いなどで評価されることが多いタイプですので、1時間ちょっとの実戦では、そんな詳しくは分かりません。導入されてから、みなさまにお任せします(笑)。

この機種には、いくつかの状態があります。1つはチェリー確率がアップするもの。もう1つはスイカ。もう1つはチャンス目。さらにもう1つは全役の確率がアップします。ややこしい。ここではチェリーとスイカに絞って考えさせてください。

チェリーもスイカもリアルな小役。で、確率が変わる。“転生チャンス”入賞時に、どのモードにいたか確認可能(PUSHボタン)で、次にどのモードに行くかは告知しない。このようになっています。

▲転生チャンス入賞目

“転生チャンス”とは、(第二種特別役物・MB)のこと。入賞すると2枚掛けの2枚払い出しを2G(稀に3枚役が揃って1Gで終わる)消化して終了します。簡単かどうかは分かりませんが「リノ」でいうところのトマトです。入賞後は純粋な通常時へ。ここでは、もう1つのボーナス“転生ボーナス”と、その抽選を終わらせる再度の転生チャンスを抽選します。

念のため書いておきますが「リノ」タイプではありませんよ。普通のAT機で、たまに隠し持っているボーナスが揃うというイメージです。

続いては3枚役。基本的に3枚役はベルの小山型か小谷型で揃いますが、それは除外して考えましょう。その他にレア小役になる3枚役が存在します。これを仮に「3枚役A」とします。

「3枚役A」が成立した時に、それがチェリーになるのかスイカになるのか。5号機以降ですが、単一制御といって1つのフラグに対して1種類のリール制御しか持つことが許されていません。つまり、時としてチェリーになったりスイカになったりしてはいけないのです。

▲「リノ」(山佐：2015年12月)

では、どうやっているのよ!? そのヒントとなるのが「リノ」です。

「リノ」のトマトは2種類ありました。上段トマトになるものと、斜めトマトになるものです。これは、押した位置によって変化するのではなく、そもそも成立した2種BBが違っていたのです。斜めトマトになる2種BBを内部で持っていた場合、どこを押しても斜めにしかなりません。

それと同じようなことを「スマスロ転生したらスライムだった件」でもやっているのではないか。そう私は予想します。

▲「チェリーパラダイス」(ソフィア：2012年2月)&「ヒマワリパラダイス」(ソフィア：2013年1月)

ちょっとここで、他社ですが思い出してみたい機種があります。ソフィアの「チェリーパラダイス」と「ヒマワリパラダイス」です。

その機種にはこんな特徴がありました。普段揃うメイン小役が、ボーナス成立後はチェリー(ヒマワリ)に変換される。なので、チェリー(ヒマワリ)が続けばチャンスというものでした。要はボーナス成立後の状態は優先する小役を変えられるということですね。

成立したボーナスによって、揃う小役が変わるとしましょう。1つは「2種BBの1つ目で3枚役Aがチェリーになりやすいもの」もう1つは「2種BBの2つ目で3枚役Aがスイカになりやすいもの」です。

1つ目と2つ目の2種BBは違うものです。しかし、揃う形は同じで、どちらだったか見分けはつきません。こうやってボーナスを細分化していけば、チャンス目が出やすくなったり全役が出やすくなったりするボーナスも作れます。こうやってレア小役をコンバートしているのではないかな・・・と。チェリーもスイカも同じ3枚の払い出しですし。

だから、過去のモードは告知できても、未来にどれが確率アップするかは告知できないんです。なぜならまだ内部成立していないから。どれを引くかは分かりません。普通のボーナスと同じく一発抽選なので。

いや、基本は普通にAT機なんです。ボーナスを隠し持った状態で遊技します。そのボーナスを時として揃えさせるのは前にもありましたよね。「キャプテンパルサー」の“海賊の宴”だったかな。そういったところが山佐らしいなと思った次第です。

大事なことなのでもう一度書きます。あくまでも私の予想です。これならば作れそうというだけで、実際どうなっているのかは知りません(笑)。ただ、これなら自由度は増しますね。実現できるゲーム性も広がるかと思います。

これだとしても、ハズれていたとしても。間違いなく言えることがあります。これを作った人、変態です(褒め言葉)。導入前から考えることで楽しませていただきました。

---

©伏瀬・川上泰樹／講談社 ©川上泰樹・伏瀬・講談社／転スラ製作委員会
©YAMASA ©YAMASA NEXT