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2017年を振り返る
早いもので2017年も終わろうとしています。毎年恒例となっている今年の漢字は“北”でしたね。北海道から大谷選手が巣立つあたりは、かなり無理があるとも思いましたが概ね納得です。
2017年のパチスロ界を漢字一文字にするとして、私なら“始”を選びます。5.9号機の導入が始まりましたし、6号機時代の始まりも決まりました。そして、業界人が夏頃によく言っていたセリフが「終わりの始まり」だったというのもありますが(笑)。
パチンコ・パチスロ業界的には、2017年が良い年だったとは言えないでしょうね。現状通りにいかなくなるのは確かですから。でもね、現状ってそこまで良かったですか? 私は規制が強くならなくても先細るようにしか見えてなかったですけど。だからチャンスでもあるんじゃないですかね。
ということで、今回は2017年のパチスロニュースを振り返りながら、いろいろ語ってみようかと。ほんとは10大ニュースとかにしたかったんですが、ユニバーサルのお家騒動とか書きようがないので(笑)。思いついたものを適当に並べたいと思います。
○14年ぶりの法改正が決定
ダントツ1位はコレでしょう。2018年2月1日に風営法が改正されることが決まりました。パチンコ・パチスロは法律によって賭博にならない遊技の範囲が定められています。その法律を改正することによって、時代に合わせた形にしていく……と。
この改正の話が出る前は期待していたんですけどね。5号機時代が長かったため、メーカーの開発さんのアイデアも枯渇気味。マンネリ打破には、法改正のように大きく変わるのも面白いと思っていたので。しかし、蓋を開けてみれば、出玉率を抑制されただけで遊技機規則としては5号機を踏襲。「コピペかよっ」と叫ぶこととなりました。
内容はこのコラムでも書いたので割愛しますが。改正法の施行から先、5号機は違法機となります。もちろん、すぐに撤去しろという話にはなりません。検定や認定といった部品が壊れた際に交換するなどの許可が得られる状態であれば、その期限が切れるまで設置可能です。
これらの期限切れや、部品の在庫がなくなったりするなどで入れ替えられていくことになりますが、この影響が出るのはもっと後。2年後、3年後です。それまでに、一撃による諸構成頼みのホール営業から脱却し、ゆったり遊びたいユーザー層による稼働重視に転換する必要があるでしょうね。
○5.9号機の導入が開始される
5.5号機が導入できたのは9月まで。10月以降からは5.9号機のみが導入されています。有利区間などわかりにくい、最長でも1500Gでショボいと思われている方も多いことでしょう。
裏を返せば、閉店取りきれずということが減ることになります。仕事帰りに楽しむサラリーマンの方々にとっては悪くない話かと。大間違いの一発がなくなった分は、初当たりやベースに回されますから。長い目で見れば、前までの機種よりも負けはマイルドになる傾向なのは間違いないです。
そういう特性をどのようにホールが扱ってくれるかがカギですけど。私なら新装は敢えて夕方開店にしますね。
ちなみに、この5.9号機。6号機までの繋ぎではありますが、法改正以降も続々と新機種として登場してくるかと思います。
法改正前に型式試験で適合を受けていれば、そこから最長3年間は新規設置ができるからです。各都道府県の検定(最終的な設置許可)も法改正後に出せたはず。隠し球もメーカーの戦略でしょう。4号機から5号機となった際も、そこから1年ちょっとは新たな4号機が登場してきました。
ただし、この冬に作られているのだけは間違いありません。寝かせる時間を伸ばしているだけなので、前の機種を踏まえての修正やら、新しいゲーム性は生まれにくいです。そんな自信作があったら、決算期に合わせて発売することでしょう(笑)。
5.9号機を追いかけてちゃんと見るのも面白いかもしれませんよ。2017年終わり時点での各メーカーの開発力がわかったりしますから。ここでいろいろやれるメーカーは、6号機も最初から期待できると期待もできます。
○スロゲーセンの閉店、相次ぐ
未来の機種の後は、過去の機種。貴重なパチスロ機を保有していたゲームセンターの閉店が相次ぐこととなってしまいました。神奈川県のゲームセンターオオネ。埼玉県のDENDO蕨店。大阪府の古台遺産。
普通のホールの低貸し営業が浸透して客数が減少したこと。ヤマト・佐川などの配送大手がパチンコ・パチスロ台の取り扱いを中止したこと。背景にはいろいろあることでしょう。
好きな台は、買って自宅に保管しておきたいタイプですが、そうそう全部を置けるわけではありません。ほんと「保存してくれてありがとう」という思いが真っ先に出てきます。
いい加減、パチンコ・パチスロは、ちゃんとした博物館を作るべきなんじゃないでしょうか。文化を感じられる場所が、個人やゲームセンターなどに頼りきり。文化にする気概がまったくないから、いくら歴史があってもその場凌ぎの連続と思われるのです。いや、実際そうなんですけど。
○久しぶりの裏モノ疑惑台
古い機種の多いゲームセンターには、裏モノもあったりしましたね。5号機世代の方はピンとこないことでしょう。普通の機種でも1万枚や2万枚出たりもしましたから。
レギュレーションが厳しくなると、裏モノは出てくるものなんです。よく勘違いされますが、通常機種よりも負けさせるためのものは少ないです。逆です。出すために作るんです。結果として、その出玉に釣られて稼働が上がって利益が出る。これが基本でした。
私は、6号機になったら裏モノがまた出てくるかなと予想していましたが、思ったよりも早かった。いや、裏モノ確定というわけではありませんが。
あくまでも疑惑なので機種名は伏せますが、まあソソられないこと。スランプグラフを見たら、右肩上がりか右肩下がりか一直線の2択。そんなもんね、開店から1時間しか稼働しませんよ。朝からストレートで1000Gとか2000Gとかハマっている台が突然猛爆するからヤメられなくなるんじゃないの。ということで、作った方は猛省していただきたい。いや、あくまでも疑惑台ですけど。
しかし、Twitterとかでもスランプグラフが流れてしまうのにはビックリ。大昔の裏モノ打ちは、ひっそりこっそり楽しんだものでしたけど。衆人に監視されるというか呟くネタを探されている時代。これでは作ってもリスクが高すぎますね。
○『押忍!番長3』はヒット
明るいニュースと言って良いのでしょうか。確かに『押忍!番長3』は、周囲の期待に応えてくれました。しかし、大ヒットと書けないのがミソ。これでも5万台は出ていないですよね。
ここ5年ほど、初期ロットで5万台以上のものはコケるという傾向があったので、5万台未満に抑えるというのは大正解です。もっとも痛い目を見た大都技研。遅ればせながら学習しました。ホールはどうでしょう?
ノーマルの設定は難しいと前回書きましたが、ART系も同じなんです。特にどのホールもBOXで置くような機械がない昨今、やはり1台1台に目をかけ手をかける必要があるのではないでしょうか。周囲の台をどれにするかといったアイデアを含め。バラエティ皆殺しとかもってのほかですよ。
ほかの機種がヒットしなかったとか、面白くなかったと言っているわけではありませんよ。それぞれの機種の良さを伝えるような営業ができているところは少ないですよねって話です。極論すれば、機種なんて何でもいいんですよ。楽しませてくれるホールと思えるかが大事です。
○山佐、レンタルプランを開始
そんなホールの選択肢を増やすべく、山佐がレンタルプランを開始しました。これはナイスアイデアなんですが、過去にもユニバーサルやSNKプレイモアがやっていたものの、なかなか定着しなかった歴史があります。
短期間だけ設置するならば良いのですが、年間で設置してしまうと新台を買うのと同じくらいになるとか。ホールの方からは「実は高い」とも言われました。一定期間レンタルすれば買い取りなど、まだ見直す部分はあるかとも思いますが、WIN-WINとなるようにいろいろ考えていただければ……と。
粗利重視から稼働重視へとホールが変わっていかなければならないように、メーカーもビジネスモデルを変えていかないと。部材を共通にして安く仕入れられるようにするとかね。
見た目の売上額を上げるために派手な筐体を作って価格を上げる傾向にありますが、うーん。結局、それを払うことになるのはユーザーで。メーカーも開発費が上がるから利益は変わらず。特需となるのは関係ないところです。いい加減、この不毛なサイクルはヤメていただきたいですな。
○驚愕の1段階設定
そのレンタルプランでの導入となった『ハイパーリノ』。まさかの1段階設定が話題となりました。法改正でパチンコに設定が導入されることになったというのに(笑)。
当然ながら「そんな勝てない台になんの意味がある?」という意見もありましたね。勝ち組なのかな、いや負け組だと思うんですけど。ホールの稼働や売上が上がってくれるなら、自分が勝てる可能性も上がってラッキーじゃないの。そんな無駄なディスり方は勝ち続けている人ならしないはず。
ま、喜んで座っていた私も負け組なんですけどね(笑)。ちょっと様子を見てみたいホールなどでは実に重宝してくれました。痛かったのは換金ギャップですね。ただ、ホールの空気を吸うのも大事なので。ほんのチョイ負けで楽しめて助かりました。信用できるかわからないホールでジャブジャブしたいと思えるような機種は少なかったので。
機種頼みからホールの自力に変わっていかなければならないんです。そういう時に、安心して座れるスペックの機種は大事。1段階設定でなくても構わないんですけど。
ホールの方々、ディスって申し訳ないです。なにがヒットするか、なにがコケるか。必死に考えてもなかなか当たらないのは、この5年ほどで痛感していることでしょう。そこよりも目の前のユーザーを見て楽しませていただければと思います。
ユーザーにとって嬉しいのは、自分が遊びたいタイミングで打ちに行けることです。私、意外と打っていない名機も多いんですよ。なぜならホームに導入されなかったから。世間では人気がなくても、自分の中では思い入れのある機種もたくさんあります。そのホールに育てられたんですね。
手っ取り早くはないですが、時間をかけて育てたユーザーは、長く通ってくれることでしょう。それこそ国民の余暇と言われていた時代のように。再び、そのような位置付けとなれるため。この激動の1年(来年も続きそうですが)が、原点回帰の“始まり”になってくれたら嬉しい限りです。
ユーザーはあまり変わらないですかね。そもそもホールの還元をどれだけ優位に受け取れるかという勝負ですから。一撃の魅力だけは減るのは仕方ありません。それこそ依存問題対策の筆頭と思われてしまう趣向だということを自覚しましょう。勝率をコツコツ上げていくのも面白いものですよ。
来年は「少し遊びやすくなった?」と思えるような年となってくれることを祈りつつ。ちょっと早いですが、みなさま良いお年を!